火山の心 – 序章: 秘宝の伝説1

東京の大学の研究室は静まり返っていた。夜遅く、時計の針は既に深夜を指しているが、リサ・タカハシは集中したまま古代文明の遺物を調べていた。白衣を纏った彼女の眼差しは鋭く、遺物一つ一つに込められた歴史の謎を解き明かそうとしていた。

リサの研究対象は南米の古代文明に関するもので、その中でも特に火山の神秘に興味を持っていた。古代の人々が火山をどのように捉え、その力をどのように利用しようとしていたのかを探ることが彼女の使命だった。そのために、彼女は古代の遺物を集め、詳細に分析する日々を送っていた。

リサは古代の壺を慎重に手に取った。その壺は複雑な模様で装飾されており、長い年月を経ているにもかかわらず、驚くほど保存状態が良かった。彼女は手元のライトを調整し、壺の表面を詳しく観察した。

「これは何か特別な意味があるはず…」リサは自分にそう言い聞かせるように呟いた。彼女の手は慎重に壺の表面をなぞり、その細部を確認していった。すると、壺の底に何かが隠されていることに気づいた。彼女はそっと壺を逆さまにし、中から一枚の古びた紙片が落ちてきた。

「これは…?」リサは驚きの表情を浮かべながら、紙片を慎重に拾い上げた。紙片は非常に古いもので、手で触れると崩れてしまいそうだった。彼女は息を詰めて紙片を広げ、その内容を確認した。

「なんてこと…これは古代の地図だわ!」リサの声には興奮が混じっていた。地図には細かい線とシンボルが描かれており、その中心には「火山の心」という文字が記されていた。リサはすぐにその地図が特別なものであることを確信した。