エルダの守護者たち – 第三章『影の迫り来る時』 前編

二人は村の中央に避難所を設けることを決定し、翌朝から工事が始まった。村人たちは協力して地下避難所を掘り、非常時に備える準備を整えていった。ケンジは村人たちと共に汗を流しながら、彼らの安全を確保するための努力を続けた。

数週間が経ち、防衛計画は着実に進んでいた。見張り塔は完成し、村の周囲には強固な防壁が築かれた。地下避難所も完成し、村人たちはいつでも避難できるように準備を整えていた。

ある日の夜明け前、ケンジは見張り塔に登り、村の周囲を見渡していた。空はまだ暗く、冷たい風が吹き抜けていた。彼は双眼鏡を使って遠くを観察し、異変がないかを確認していた。

「ケンジおじさん、何か見える?」リオが見張り塔に登ってきた。

「いや、今のところ異常はない。ただ、警戒は怠らないようにしよう。」

リオは頷き、ケンジの隣に立って村の外を見渡した。二人は静かにその場に立ち、これから起こるかもしれない戦争に備えていた。

その日の夕方、村の広場に全員が集まり、エルンが防衛計画の最終確認を行った。村人たちは緊張した表情を見せながらも、決意を固めていた。

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