おばけ屋敷のふしぎなサロン

静かな田舎町、そこにはひっそりと佇むおばけ屋敷があった。シルエットは不気味で、時折窓からひょっこり顔を出す幽霊たちが見えるという噂が立っていた。しかし、この町に新しくやってきた美容師、麻衣はそんなことを気にする様子もなかった。彼女は都会からの転校生で、髪の毛を魔法のようにスタイリングする不思議な力を持っていた。

彼女が新しい仕事場として指定されたのは、まさにその「おばけ屋敷サロン」だった。

「おばけ屋敷サロン? あはは、そんなの冗談でしょ?」友達は彼女の話を聞いて大笑いしたが、麻衣は全く動じなかった。むしろ、彼女はこの場所での出来事に興味津々だった。

麻衣が恐る恐るおばけ屋敷のドアを開けると、そこで待ち構えていたのは、まさに幽霊たちの集会だった。白いシーツをかぶった姿や、時にはリアルな外見を持つ幽霊たちが、彼女を囲んでいた。

「新しい美容師が来たと聞いたが、あなたがそうなのか?」と一人の女幽霊が尋ねてきた。彼女は昔、派手な髪形を持っていた自慢の髪をつかみ、懐かしい表情を浮かべていた。「私の髪はもうどうにもならないわ…」 その言葉に少し胸が締め付けられる麻衣。

「大丈夫! きっと素敵にできるから!」と麻衣は明るく返事すると、笑顔が広がり、幽霊たちも徐々に打ち解けてきた。まずはその優雅な髪を整えようと、麻衣は彼女の髪に魔法の手を加えた。

「うわっ、これはいいじゃない!」幽霊たちは驚きと喜びの声を上げる。麻衣の技術を試したいと、次々と彼女の前に現れ、麻衣は幽霊たちの髪を整える作業に夢中になっていった。ドレッドヘアのかわいらしい子供の幽霊も、思わず麻衣に近寄ってきて、彼女の腕に抱きついた。

「ねえ、私もやって〜!」と小さな子供がはしゃぐ。

こうして、麻衣は幽霊たちの個性的な髪を整えながら、彼らの人生についても耳を傾け始めた。それぞれの幽霊には、悲しい過去や未練があり、麻衣との会話を通じて少しずつその心の扉を開いてくれた。

しかし、サロンでの日々が続く中、次第に異変が起こり始めた。幽霊たちの間で「髪の毛の悪霊」についての噂が広がっていたのだ。悪霊は人間の髪の毛を狙っていて、ついには幽霊たちをも悩ませるようになったらしい。

「私、あの悪霊に襲われたらどうしよう…」一人の幽霊が恐怖で震えていた。麻衣は彼らを励ますため、何か特別なことをしなければならないと感じた。

そこで、彼女は町全体を巻き込んだユニークな髪型イベントを計画することにした。最初は「髪型コンテスト」という名目で、町の人々と幽霊たちが一緒に楽しむイベントを作り上げようと考えたのだ。

幽霊たちは麻衣を手伝い、協力し始めた。街の中心に巨大な飾り付けを施し、賑やかな音楽でお祭りの雰囲気を作り出す。麻衣は、自分のスタイリストとしてのスキルを最大限に引き出しながら、楽しい髪型を作り上げることに一生懸命だった。

「私の髪型がほかのどの幽霊よりも可愛い!」とドレッドヘアの幽霊の子供が言った時、他の幽霊たちも続々と自身のスタイル自慢を始め、会場は活気に満ち溢れた。

だが、イベントが進行する中で、悪霊の影もちらつくようになってきた。そして、会場がもつれ始めると、麻衣は幽霊たちと一緒になり、恐怖を克服して、笑い声で悪霊を追い払う方法を見つけなければならなかった。

「いざ、髪型コンテストを始めよう!」麻衣は叫んだ。これを合図に幽霊たちが集まり、楽しいひと時を過ごし始めた。果たして麻衣は、悪霊を乗り越え、幽霊たちの笑顔を取り戻すことができるのか?奇妙なサロンで繰り広げられるコミカルでホラーチックな物語が、今、始まる。

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