異世界音楽革命:精霊と魔物の力で作る新たな音楽祭(7)

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打楽器の名手シェリーとの出会い

商業都市へ足を運んだアキラ、リーナ、そしてルークは、市場の喧騒の中でひと際大きな太鼓の音に耳を奪われた。市場の広場には、リズムの洪水が溢れ出し、その場に集まった観客たちは皆、一様に踊り始めていた。舞台の上で楽しげに太鼓を叩いていたのは、元気いっぱいの打楽器奏者、シェリーだった。

彼女のリズムは即興でありながらも精緻で、観客たちの熱気と融合し、シェリー自身の情熱を音楽として表現していた。太鼓やシンバル、様々な打楽器を次々に使いこなしながら、彼女のビートは観客の体を自然に揺らす。アキラはそのダイナミックな演奏に感嘆し、リーナも目を輝かせた。「彼女はすごいですね、まるでリズムの精霊が宿っているみたいです」

アキラは同意し、シェリーの演奏が終わったタイミングで、観客の間を抜けて舞台裏に向かった。シェリーは打楽器を並べ替えながら汗を拭き、満足げな笑みを浮かべていた。アキラは彼女に声をかけた。「素晴らしい演奏だったよ、シェリーさん」

シェリーは驚いたように振り返り、アキラたちを見つめた。「ありがとう!でも、あなたたちは誰?」