東京の大学キャンパスは、いつもと変わらず活気に満ちていた。こんな中で、頭脳明晰で自信満々の健太は、心のどこかで恋愛なんて自分には無理だと感じていた。クラスメートたちは次々と恋に落ちては、その甘酸っぱい話をしているが、彼にはそんな経験が一度もない。
ある日、健太は大学の図書館で友人から「恋愛の達人になるための指南書」を借りることに成功する。”これで恋愛がうまくいくかもしれない!”と、心踊る思いで指南書のページをめくった。彼は特にオススメされた「おちゃらけた方法」を試してみることにした。
最初のトリックとして、健太は友人たちに頼んで、彼にとっての理想的な女性像を作り上げ、その女性に近づくことにした。理想像は、美少女で明るくて、頭も良く、何より特別な雰囲気を醸し出す存在。そんな彼が見つけたのが、サクラという名前の女子だった。
サクラは、噂通りの「恋愛マスター」で、周りの男子をいつもからかって楽しんでいる。彼女の笑顔には魅力があり、まさに健太が想い描く女性そのものだった。彼は、彼女の心を掴むためにトリックを駆使することに決めた。しかし、ことごとく失敗が続く。
最初の日、健太は授業中に自作のラブレターを彼女の机に置いた。しかしそのラブレターが友人に見つかり、教室は大爆笑。サクラも笑いながら「健太君、これどうしたの?」とからかってくる。次の日、彼は自作の詩を披露したが、あまりの出来の悪さに逆に彼女を笑わせてしまった。
そうこうしているうちに、健太は笑いの中でサクラを知り、サクラも彼のドジを見て、少しずつ彼に興味を持ち始めていた。彼女が健太の奮闘を見るのは楽しく、何度も彼をからかいながらも、少しずつ心が温かくなっていく。
次第に彼女との会話が増え、健太も彼女の明るい性格に引き寄せられていく。彼の策略がまったく通じないばかりか、サクラにしてみれば、彼の真面目さが次第に好感に変わっていったのだ。
ある日、健太は「恋愛の達人」になるために、さらに大胆なトリックを考えた。それは、彼女を誘って特別なデートを計画することだった。健太は公園でのピクニックを考え、彼女にメッセージを送った。「特別なことを話したいから、来てほしい」。
“いったい何の話だろう?”と気になったサクラは、ワクワクしながらその日を待った。健太は準備に余念がなく、サクラの好きな食べ物を用意し、彼女好みの場所を選んだ。
しかし、その日もトリックが先走り、健太は舞い上がりすぎてしまった。ピクニックシートを広げる際に、彼は風で持っている食べ物を吹き飛ばしてしまった! 食べ物が空高く舞い上がり、サクラはその様子を見て大爆笑。健太は思わず顔を真っ赤にして、心の中で「どうしてこうなる…!」と呟いた。
サクラが笑う声は、健太にとって心地よい音楽のようだった。彼はその時、自分がどれだけ彼女を大切に思っているかを実感した。失敗続きのトリックも、サクラと過ごす時間が長くなるにつれて、彼女との距離を縮めていく要素だと気づく。
その瞬間、彼の脳裏に1つの結論が浮かんだ。トリックを使うのはやめよう。彼女に真摯な自分を見せることが、何よりのトリックだ。そして、彼は思い切ってサクラに真実を告げた。”君に恋をしたのは、すべてのトリックや計画を超えた心からの気持ちなんだ。”
サクラは一瞬驚いた表情を見せた。しかし、すぐさま優しい笑みが浮かび、彼にこう返した。”健太君、私もあなたの不器用さが好きよ。そんなあなたが素敵なの。”
ふたりの距離は一気に近づき、面白い出来事も楽しい思い出に変わる。彼らのデートはさらに笑顔に満ちており、自然体で過ごすようになった。健太はサクラに恋愛の真髄を教わり、サクラは健太との関係の中で、笑いの大切さを感じ取った。
こうして、彼らは互いに理解し合い、時折ドジをしながらも、幸せな日々を送るカップルとなった。彼らの前には、新たな冒険と笑いの日々が待っていることを信じて、手をつないで進んでいくのだった。
恋愛にはトリックもあるけれど、何より大切なのは互いの素直な気持ちだと知る彼らは、これからの未来に向かって一歩ずつ進んでいく。



















