しかし、リラの新しい生活にも、予期せぬ困難が訪れる。リラの弟が地球の重力に適応できず、病気になってしまったのだ。彼はコロニーで生まれ育ったため、地球の重力は彼の体にとって過大な負荷となってしまった。医者たちは彼を治療するために全力を尽くしたが、弟の状態は徐々に悪化していった。
リラは弟の病床を見守りながら、自分が地球に来たことで弟が苦しむことになったと自己責任を感じてしまった。彼女は弟の病気が自分のせいだと考え、深い罪悪感に苛まれた。リラの心は痛みに満ち、彼女は自分の夢を追い求めることが弟の病気を招いたと感じ、深い絶望に陥った。
また、弟の病気はリラにとってだけでなく、家族全員にとって大きなショックだった。家族は互いを支え、弟の治療に尽力した。しかし、その中で、リラは自分が家族を地球に引っ張ってきたことで、家族全員を危険に晒してしまったと罪悪感を覚えた。
その頃、リラは地球で親しくなった友人たちと共に、地球の自然環境保護の活動に参加していた。彼女は地球の美しさを守るために、自分ができることを模索し始めた。その中で、彼女は自分の経験を活かして、コロニーと地球との間での文化交流を促進する活動を始めることを決めた。
リラは、自分が地球で体験したことをコロニーの人々に伝えることで、両者の理解を深め、地球の自然環境を守るための意識を高めることができると考えた。また、その活動を通じて、彼女は地球に対する愛情を再確認し、自己責任を克服するための力を見つけることができた。
弟の病気は治ることはなかったが、彼もまたリラの活動を支持し、リラの努力が弟の病気を癒すことはないけれど、それが地球とコロニーの未来のためになると彼女を励ました。その言葉はリラにとって大きな支えとなり、彼女は再び立ち上がる勇気を得ることができた。
リラの活動は次第に広がり、多くの人々が彼女の活動に賛同し、彼女は地球とコロニーの人々をつなぐ架け橋となった。そして、彼女の活動は最終的には地球とコロニーの間の新たな交流を生むこととなり、両者の理解を深め、地球の自然環境を守るための新たな可能性を生み出すこととなった。
リラは、地球とコロニーの人々をつなぐ活動を通じて、自分が地球を愛し、地球の人々と共に生きることを改めて確認した。彼女は新しい家族と友情を見つけ、そして何より、自分自身が地球を愛することを再確認したのだった。
リラの物語は、遠い星から来た一人の少女が地球を愛し、その美しさを守るために奮闘する物語だった。そしてそれは、同時に彼女が自分自身を見つけ、自分の過ちを乗り越え、地球の人々と共に生きるための物語でもあった。それは、「星海の帆」の旅が終わったところで、新たな旅が始まったのだ。
