夜の静けさが家を包む中、健一と美咲は再びリビングルームで座っていた。過去の調査や古い日記の内容に頭を悩ませながら、二人はその日の出来事を話し合っていた。
「どうすればいいんだろう…」健一はため息をつきながら言った。「これまで調べてきたことは役に立っているけど、まだ何か足りない気がする」
「私もそう思うわ。でも、もう少し頑張ってみましょう。きっと何か手がかりが見つかるはず」と美咲は励ますように答えた。
その時、突然家の中に囁き声が響き渡った。今までとは違い、声ははっきりとした言葉になっていた。
「助けて…ここから出して…」
健一と美咲は凍りついたようにその声を聞いた。声の主はまるで彼らに直接語りかけているかのようだった。二人は顔を見合わせ、恐怖と同時に同情の念を感じ始めた。
「健一…この声、本当に誰かが助けを求めているように感じるわ」
