未知への航路

時は1492年、神聖ローマ帝国の最果てにある小さな海港都市。そこには、旅の商人や冒険家たちが集まり、様々な物語が紡がれていた。酒場の片隅に佇む老船員が手にしていたのは、ボロボロの革製の日記帳。そのページには、彼の祖父が記した失われた大航海者の日記が詰まっていた。

祖父は一世を風靡した大航海者で、遙かな海を越え、世界の端々を旅していた。その冒険の果てに、彼は未知の大陸の存在を記した。しかし、その証拠となる地図は見つからず、祖父の言葉はただの迷信として風化していった。

その日記を偶然手にした老船員は、航海者の血が騒ぎ始める。祖父の日記を公にし、未知の大陸を発見する冒険を始める決心をする。日記の記述を元に精巧な地図を作り、一同を募った。熟練の船員たち、好奇心旺盛な冒険家たち、地図を描くための画家たち。大航海を追い求める者たちが集まり始め、一つの冒険団が結成された。

風向きは良く、海は静かで、彼らの冒険は平穏な出航から始まった。日記に記された指示に従い、彼らは未知の海域へと舵を切る。日々海図を描き続ける画家、風の向きを読む船員、星を読み解く天文学者たち。それぞれの役割を果たしながら、冒険団は海を進んでいく。

しかし、未知の海域へと進む彼らの前には、予想外の困難が立ちはだかる。突然の嵐、海流の変化、新種の海獣。それら全てが冒険団を試すかのように立ちはだかる。しかし彼らは困難に立ち向かい、絆を深めていく。そして、それぞれが抱く夢や希望、恐怖や疑問。そうした心の中の旅もまた、この冒険の一部となっていく。

一方、神聖ローマ帝国の首都では、老船員が日記を公にしたことで騒動が起こっていた。未知の大陸の存在を信じる者、そんな大陸が存在するはずがないと否定する者。そして何より、未知の大陸に惹かれ、その力を手に入れようと企む者たち。彼らの思惑は、未知の大陸への興奮を高め、一方で暗い陰謀も生み出していく。