ホワイト・ロータスとブラック・ロータス – 前編

前編 後編

空中に浮かぶ島や地下に隠された都市など、特殊な地形や環境にある古代文明の秘密を解き明かすために、若き考古学者が世界中を旅する物語。

その名は、レオン・ハートウェル。イギリスの名門大学で考古学を専攻する23歳の青年だった。

彼は、幼い頃から祖父の話に聞き入っていた。祖父は、かつて世界的な冒険家として名を馳せた人物で、数々の遺跡や秘境を探検してきた。

祖父は、レオンに自分の冒険譚や発見した貴重な遺物を見せてくれたが、中でも一番興味を持ったのは、祖父が最後に訪れたという古代文明の地図だった。

その地図には、世界各地に点在する遺跡の場所と、そこに隠された暗号が記されていた。

祖父は、その暗号を解くことで、古代文明の最大の秘密に辿り着けると言っていたが、残念ながらその前に病気で亡くなってしまった。

レオンは、祖父の遺志を継ぎ、その地図を手がかりに、古代文明の秘密を探ることに決めた。



レオンは、大学の夏休みを利用して、最初の目的地であるエジプトへと飛んだ。

エジプトでは、友人であり同じ考古学者でもあるアリス・ベイカーと合流した。

アリスは、レオンと同じく祖父から受け継いだ地図に興味を持ち、彼に協力することにした。

二人は、地図に示された場所へと向かった。そこは、ピラミッドやスフィンクスなどで有名なギザの高原だった。

レオンは、地図に書かれた暗号を解読しようとしたが、どうしてもわからなかった。

そこで彼は、アリスに助けを求めた。

「アリス、これって何だと思う?」

レオンは、地図から切り取った一枚の紙をアリスに見せた。

紙には、ピラミッドやスフィンクスなどの絵が描かれており、その下には謎めいた文字列が書かれていた。

「Hmm…これは…」

アリスは紙を眺めながら考え込んだ。彼女は言語学や暗号学にも詳しかった。

「もしかして…これは…」

アリスは目を輝かせて言った。

「これはヒエログリフだよ!古代エジプト人が使っていた文字だ!」

「本当か?それなら解読できるんじゃないか?」

「そうだね。でも…これは普通のヒエログリフじゃないみたい。何か変わったルールがあるんじゃないかな?」

「変わったルール?」

「うん。例えば、このピラミッドの絵は、普通ならピラミッドという意味だけど、この場合は、ピラミッドの頂点の位置を示しているんじゃないかな?」



「頂点の位置?」

「そう。この地図には、四つのピラミッドが描かれているけど、それぞれ頂点の位置が違うでしょ?」

「ああ、確かに。左上のは左上に、右上のは右上に、左下のは右下に、右下のは左下にあるな」

「そう。それで、その頂点の位置に対応する文字が書かれているんだと思う。つまり、左上のピラミッドの下に書かれた文字は、左上の文字を表すんだと思う」

「なるほど。じゃあ、他のも同じように解読できるかもしれないな」

「そうだね。では、やってみようか」

二人は、地図に書かれた暗号を解読しようとした。すると、次々と意味がわかってきた。

「おお!これは…」

レオンは驚いた。

「これは…スフィンクスの目を示しているんだ!」

アリスも興奮した。

「そうだね!スフィンクスの目には…何か秘密が隠されているんだね!」

二人は早速、スフィンクスの目を調べに行った。すると、その目には小さな穴が開いていることに気づいた。

「これは…鍵穴か?」

レオンは疑問に思った。

「そうかもしれない。でも…どんな鍵が合うんだろう?」

アリスも不思議に思った。

その時、二人の後ろから声がした。

「それは私が知っていますよ」

二人は振り返った。そこには、黒ずくめの服を着た男が立っていた。

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