モンスターストーン – 第5章: 第5話

「そうだ。」彼は苦しそうな顔で続けた。「最初は、ほんの少しの情報を渡すだけだった。でも、彼らは次第に要求をエスカレートさせていった。断れば家族が危険にさらされる。俺はどうすればいいのか、分からなくなって…」

信也はしばらく沈黙し、そのメンバーの言葉に耳を傾けていた。しかし、彼の目にはまだ警戒の色が浮かんでいる。「家族を守るためとはいえ、それが部隊を危険にさらす行動に繋がったことは事実だ。君のしたことは許されるべきではない。」

「分かっている。」スパイはうつむきながら答えた。「だからこそ、俺は全てを話す覚悟でここに来た。これ以上、誰も危険にさらしたくない…」

「君の行動は間違っていた。」慶太郎が静かに語りかけた。「だけど、君が家族を守ろうとした気持ちは理解できる。僕たちは君を責めるためにここにいるわけじゃない。これからどうするかを考えるためにいるんだ。」

「ありがとう、慶太郎。」スパイは涙を浮かべながら応えた。「俺は…本当に申し訳ない。」

「まずは、敵組織の計画について知っていることを全て教えてくれ。」信也が強い口調で言った。「君の情報が、次の戦いの鍵を握るかもしれない。」

「分かった。」スパイは頷き、敵組織の構造や彼らの計画について知っている限りの情報を話し始めた。彼の情報は、部隊にとって重要な手がかりとなるものだった。

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