未来からの宅配便 – 第2話

アイテム4: ラッキー・チャーム

タクヤは、未来からのアイテムに対して警戒心を持ち始めていた。それでも、彼は未来の自分が送ってきたアイテムに一線の希望を見いだしていた。次に届いたのは、小さなお守りのようなもので、「ラッキー・チャーム」と名前がつけられていた。

メモには、「これを持っていると、あなたに幸運が舞い込むでしょう」と書かれていた。タクヤは幸運を信じるタイプではなかったが、最近の不運な出来事を考えると、少しでも運を味方につけたいと思った。

早速、翌日からタクヤはそのチャームを持ち歩くことにした。最初の数日間は特に変わったことはなかったが、次第にタクヤは不運に見舞われるようになった。

彼の電子機器が突如故障し、大切なデータを失った。タクヤが乗る電車は、何度も遅延し、彼は重要なミーティングに遅れてしまった。そして、彼の家の水道管が突然破裂し、家中が水浸しになった。



タクヤは、これが全てただの偶然だとは思えなくなり、ラッキー・チャームに疑念を抱くようになった。彼は、このアイテムが逆に自分の人生を混乱させているのではないかと考えた。

「もしかして、これが原因で俺の運が悪くなっているんじゃないか?」タクヤは、その疑念を確信に変えるため、チャームを持たない一日を過ごすことにした。

すると、その日は特に不運なことは起きず、むしろスムーズに一日が進んだ。タクヤは、ラッキー・チャームが逆に不運をもたらしていたことに気づいた。

彼は、そのチャームを持たないことに決め、再び普通の生活に戻った。タクヤは、その経験から、自分の運を他人や物に頼ることの危険性を学んだ。彼は、自分の運命は自分自身の力で切り開くことが一番だと確信した。

そして、タクヤは次第に自分に自信を持ち、日常生活の中で小さな幸せを見つけるようになった。彼は、未来の自分に頼らなくても、自分の力で幸せをつかむことができると確信した。

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