第1話 第2話
未来への旅
数日後、ユウジは再び古びたスリッパを試し履きする気になった。気が付くと、彼の周りはすっかり変わっていた。目の前には未来の都市が広がっていた。巨大なビル、飛び交う飛行車、そして何よりも驚いたのは、人々の足元にある靴が浮いていることだった。
「ここはどこだろう?」とユウジがつぶやくと、隣に立っていた若者が答えた。「ここは、2150年の東京だよ。君、どこから来たの?」若者の質問に、ユウジは戸惑いながらも「えっと、過去から来たんだと思います。」と答えた。
若者は驚きの表情を浮かべながらも、ユウジの話を楽しそうに聞いていた。そして、ユウジの手に持っていた靴修理の道具に目をつけ、「それ、古い靴の修理道具だね!今のこの時代では見ることができないよ。」と興奮気味に話してきた。
ユウジは驚きの中、この未来の都市での自分の役割を探り始めた。彼の古典的な修理技術は、この未来の都市では非常に珍しく、すぐに人々の間で評判となった。特に、浮く靴の修理を得意とするユウジは、一躍有名人となった。
しかし、その後、ユウジは都市の深刻な問題を知ることとなる。それは、靴が浮くためのエネルギーが不足しているということだった。このエネルギーがなくなれば、都市の交通やライフスタイルは大きく影響を受ける。
ユウジは、自らの修理技術と知識を生かして、このエネルギー不足の問題を解決しようと決意する。彼は、未来の技術者や研究者たちと協力し、エネルギーの源を探す旅に出ることとなった。
その旅の中で、ユウジは未来の高度な技術や知識に触れることができ、自らの技術もさらに磨かれていった。そして、ついに彼は、浮く靴のエネルギー源となる特別な素材を発見する。
都市の人々はユウジの功績をたたえ、彼を英雄として讃えた。ユウジはこの未来の都市での冒険を終え、再び古びたスリッパを履いて、自分の時代へと戻るのだった。しかし、彼の胸には、未来の都市での経験と出会った人々への感謝の気持ちが強く刻まれていた。