竜の笛と消えた王都 – 第7章

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エリオットが笛に息を吹き込むと、その音色は天に響き渡り、失われた王都ラゼルが地上へと戻る奇跡が起こった。笛から溢れる音楽は空気を震わせ、遥かな空の彼方へと伸びる光の柱が現れた。彼らの目の前で、霧が晴れるように、王都がゆっくりとその姿を現し始めた。かつての栄光を取り戻し始めた王都ラゼルは、まるで長い眠りから覚めたかのように、人々の喜びと希望で息吹を取り戻していった。

しかし、この成功は、新たな誓いと責任の始まりをも意味していた。竜の笛は、ただ失われたものを取り戻すための鍵ではなかった。それは竜たちとの新しい約束を結ぶための儀式の道具であり、笛を吹く者はその約束の守り手となる運命にあった。エリオットは、竜たちとの約束を新たにし、人間と竜の間に新たな和平を築くための重要な役割を担うことになる。

王都が再び地上に姿を現した瞬間、エリオットは自身がただの笛吹きではなく、世界の均衡を保つための架け橋であることを悟った。竜たちの代弁者として、また人間の代表者として、彼は竜たちとの対話を始めなければならなかった。それは、かつてない困難かもしれないが、彼はその使命を受け入れた。彼の心は、過去の自己疑念を乗り越えた自信と、仲間たちと共に築いた信頼に満ち溢れていた。

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