滅びの歌

エルフリア王国には、古の伝説が息づいていた。それは「絶望の呪文」と呼ばれる呪文であり、もし唱えられれば、国全体が滅亡するという恐ろしい力を秘めていた。王国の人々は、その言葉を決して口にすることを禁じていた。

しかし、平和と繁栄の中で育った王女セリナは、そんな恐れとは無縁だった。彼女は美しい金色の髪と大きな青い瞳を持つ、心優しい少女だった。喘ぎながらも笑顔を絶やさず、多くの者たちに愛されていた。彼女は王国のため、そして自分のために、いつの日か自らの力を信じられる存在になることを夢見ていた。

だが、彼女のその夢は、ある日、闇の魔女「ザカーニャ」が現れたことで一変する。ザカーニャは愛と友情に満ちたエルフリアを狙い、その力を奪おうと考えていた。彼女は呪文を唱えることで、セリナの母国を滅ぼすことをしようとしたのだ。そのうわさは瞬く間に王宮を駆け巡り、国中が恐怖に包まれていく。

セリナは、仲間たちに声をかける。
「私たちには、ザカーニャを止める責任がある。王国を守るために、共に立ち上がりましょう。」
仲間たちは彼女の情熱に心を動かされ、決意する。セリナは、彼らを先導し、魔女の居場所を探す旅へと出発した。

旅の途中では、彼女たちの絆が深まる瞬間が次々と訪れる。ダニエルは、彼の剣技で仲間を守り、シャーラはその魔法で助けてくれる。彼らは協力し、互いを支え合いながら進んでいく。しかし、時には試練が待ち受けていた。仲間の一人がザカーニャの手にかかり、命を奪われる不幸が訪れる。

その日、セリナは悲しみに包まれていた。
「どうして、どうしてこんなことになるの…」
涙が彼女の頬を流れる。仲間を失った痛みは、彼女に深い傷を残したが、彼女は泣いてばかりはいられなかった。それが、敗北の証となるなら、彼女は前に進むことを決意した。

そして、ついにザカーニャとの対決の日がやってきた。夜の闇が王国を覆い、月の光がほのかに照らす中、セリナと仲間たちはその場に集結する。明らかに敵は、何か不気味な空気を放ち、圧倒的な力を感じさせる。その瞬間、セリナは恐れに包まれるが、仲間たちの目を見ると、彼女の決意は固まる。彼女は言う。
「私たちの力を合わせて、ザカーニャを倒しましょう!」
仲間たちも頷き、戦闘が始まった。

だが、魔女は想像以上に恐ろしい存在だった。彼女が一声で発する呪文は、仲間たちを次々と打ち倒していく。セリナは何度も立ち上がり、仲間のために戦おうとするが、彼女の力は次第に限界に達する。仲間たちが一人また一人と倒れていく中、彼女は絶望の淵に立たされる。

ついにセリナは最後の瞬間を迎えた。彼女の心の奥底には、仲間を守りたいという思いが渦巻く。そのためには、自らの命を犠牲にすることが必要だと悟る。彼女は、全てを託すために魔女に立ち向かう。
「私の命を使うがいい、ザカーニャ!お前には負けない!」彼女の声は、力強く空に響いた。

魔女は冷笑し、呪文を口にする。セリナはその瞬間を見逃さず、自らの魔法を使い、仲間たちを逃がそうとする。だが、呪文はあまりにも強力で、彼女の意志とは裏腹に全てを飲み込んでしまう。そして、国中が光に包まれると、次第にその輝きも消え去り、エルフリアは滅びてしまった。

死に行く彼女の中に感じるのは、仲間を失った悲しみ、そして国が消えてしまった絶望だった。これが彼女の運命なのだ。この負の連鎖は、永遠に彼女の心に深く刻まれていくことであろう。

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