ある日、退屈な日常に飽き飽きしていた若者タケルは、思い切って裏山へと足を運んだ。
彼はいつも通り、ただの散歩を楽しむつもりだったが、その日は特別な何かを期待していた。山道を歩いていると、不意に目の前に古ぼけた魔法の本が落ちているのを見つけた。
本の表紙には奇妙な絵柄が描かれており、タケルはその魅力に引き付けられ、ページをめくることにした。すると、突然眩しい光に包まれ、気が付くと異世界に転送されていた。
「ここは…どこ？」
目の前には、まるで夢の中のような光景が広がっていた。空には濡れた猫が流れ星のように飛び回り、不思議な生き物たちがお菓子に変身していた。色とりどりの着ぐるみを着た魔法使いたちが、シャンパン色の泡を飛ばしながら笑っていた。
「タケル！」
その場に白衣を着た青年が近づいてきた。彼は冗談好きなサトルで、逆さまに歩くことしかできない魔法の使い手だった。
「君がタケルか。面白そうだね！おかしな魔法を使え！」
タケルは驚いた。どうやって彼の言う「おかしな魔法」を使うのか、全く見当もつかなかった。
「まず、僕の動きを真似てみな！」
サトルは、逆さまに立ち上がり、火花を飛ばすように手を振り回した。タケルはこれを見て、あまりの奇妙さに笑いが込み上げてきた。
「こうか？」タケルも逆立ちを試みるが、見事に転倒し、周りの生き物たちが笑い声を上げる。
「いいぞ！その調子！」サトルが笑いをこらえながら声をかける。
失敗に終わったが、タケルは気を取り直して魔法の国での生活を楽しんで行くことにした。毎日サトルと一緒に練習を続けたおかげで、タケルの魔法の腕前は少しずつ上達していった。
未来ある冒険が待っている。
そんなある日、タケルは「バカバカしい魔王」の話を耳にすることとなった。それは、国中を征服してお菓子を奪ってしまう、恐ろしい魔王だった。
「その魔王をどうにかしないと！みんなの笑顔を取り戻さなきゃ！」
タケルは心に決めた。サトルとユニークな仲間たちと共に、魔王に立ち向かうための準備を始めた。タケルの挑戦は始まった！
またもやタケルは一歩を踏み出す。
「最初の一歩、ドッキリ魔法を試してみせる！」
サトルの言葉を胸に、タケルは魔法の呪文を唱えた。すると、みんなの目の前でカラフルな泡が吹き出し、周りの人々はその美しさに魅了されていた。彼の周りを取り巻く仲間たちは大爆笑をし、タケルが魔法の力を使いこなせることに拍手を送った。
「それそれ！その調子！」サトルが逆さまに立ちながらもタケルを励ました。
その後、タケルとサトルは、様々な不思議な魔法を試しながら、仲間たちと一緒に笑いを絶やすことなく日々を過ごしていった。彼のポジティブな姿勢に引き込まれ、仲間たちも応援し続けてくれる。
そして、ついに魔王との対決の日がやって来た。
「タケル、私たちの友情があれば、必ず勝てると信じている！」サトルの一言がタケルの勇気を奮い立たせる。「一緒に、おかしな魔法を使おう！みんなの笑顔を取り戻すために！」
魔王との戦闘は思ったよりも厳しいものだった。魔王は手強く、笑いを奪い取るような攻撃を仕掛けてくる。だが、タケルは前を向き、仲間たちと一緒に力を合わせることを決意した。
「全力で行くぞ！ドッキリ魔法！」
タケルは思いつく限りの魔法を詰め込んで、一気に放った。すると、空にはカラフルな泡が舞い上がり、魔王はその美しさに思わず動揺した。
「な、なんだ！あれは…！？」
タケルは再び仲間たちと声を合わせ、今度は「一緒に笑おう！」を合言葉に、全員で笑った。すると、魔法の国は普段の陽気さを取り戻していった。
最終的に、魔王は大きな声で笑い始め、自らの力を失っていった。
こうして、タケルは友情の力で魔法の国を救うことに成功した。それ以来、彼は仲間たちと共に「おかしな魔法の国」の笑いの守護者となり、これからも冒険は続くのだった。
魔法の国で起きた出来事は、タケルに「何気ない日常にも魔法が潜んでいる」と気づかせてくれた。そして、彼の心温まる冒険は、いつまでも語り継がれることとなった。
