会いに行く – 後編

前編 後編

太郎とさやかは、電車を乗り継いで、本当の両親の住む町に到着した。彼らは、書類に記された住所を頼りに、タクシーに乗った。彼らは、本当の両親に会えることに期待と不安を感じた。

タクシーは、目的地に近づいていった。太郎は、窓から外を見ていた。彼は、自分が生まれた町の風景に興味を持った。彼は、本当の両親がどんな人だったのか想像した。

やがて、タクシーは、書類に書かれた住所の前に止まった。太郎とさやかは、タクシーを降りて周りを見渡した。しかし、そこで彼らが見たものは、荒れ果てた家と墓石だった。

「これが……本当の両親の家……?」

太郎が呆然と言った。

「どういうこと……?」

さやかが驚いて言った。

二人は、荒れ果てた家に近づいてみた。家は、窓ガラスが割れていたり、壁が崩れていたりして、住める状態ではなかった。家の前には、二つの墓石が立っていた。墓石には、太郎の本当の両親の名前と生没年月日が刻まれていた。

「これは……」

太郎は、墓石を見て絶句した。彼は、本当の両親が数年前に事故で亡くなっていたことを知った。彼は、自分が会いに来る前に彼らが死んでしまっていたことにショックを受けた。



「太郎……」

さやかが、太郎の肩に手を置いて慰めようとした。しかし、太郎は無言で首を振った。彼は、自分の存在意義を失ったように落ち込んだ。

「もう……何もないよ……」

太郎は、呟いた。

「そんなことないよ……」

さやかは、言おうとしたが、太郎は聞く気配もなかった。

「もう帰ろう……」

太郎は、さやかの手を引いてタクシーに戻ろうとした。

「でも……」

さやかは、言おうとしたが、太郎は聞く気配もなかった。

二人は、タクシーに乗って町を後にした。太郎は、無表情で窓の外を見ていた。さやかは、心配そうに太郎を見ていた。二人の間には重苦しい空気が流れていた。二人の旅は、悲しい結末を迎えることになった。

太郎とさやかは、電車に乗って帰路についた。太郎は、ずっと無言でうつむいていた。さやかは、太郎を励まそうとしたが、なかなか効果がなかった。彼女は、太郎の養父母に連絡を取ることにした。彼女は、太郎の携帯電話をこっそり借りて、養父母の番号を探した。彼女は、養父母に電話をかけた。

「もしもし……」

養父母の声が聞こえた。

「あの……太郎くんの同級生のさやかです」

さやかが名乗った。

「さやかさん?太郎はどこにいるの?」

養父母が心配そうに聞いた。