フルコートの奇跡 – 第3話

後半戦、相手チームは激しい攻撃を仕掛けてきたが、健太たちは耐え抜いた。スイッチディフェンスが見事に機能し、相手の攻撃を封じ込めた。試合終了のブザーが鳴り、スコアボードには健太たちの勝利が示されていた。

「やった、勝ったぞ!」石井が歓声を上げると、チーム全員が喜びを爆発させた。しかし、次の対戦相手が発表されると、健太の表情が一変した。

「次の相手は…あのライバル校か…」健太は思わず呟いた。ライバル校の名前は星陵高校。そのエースプレイヤーは、健太の幼馴染であり、かつての友人、藤井大輝だった。

試合当日、健太たちは緊張した面持ちでコートに立った。藤井との再会は、健太にとって複雑な感情を呼び起こした。かつて、二人は同じクラブチームで共にバスケットボールを学んだ仲間だった。しかし、ある日、藤井が突然クラブを辞め、別の高校に進学したことが原因で疎遠になっていた。

試合が始まると、藤井はその卓越した技術でチームを引っ張り、次々と得点を重ねた。「やっぱり強いな、藤井…」健太は心の中でつぶやき、彼に対抗するため全力を尽くした。

試合中盤、藤井が健太に話しかけてきた。「健太、お前がここまで強くなるとはな。でも、俺は負けないぞ。」

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