色を失った町 – 最終話

夕暮れ時、リアは町の入口に立っていた。彼女の手には魔法の絵筆が握られ、胸には期待と希望が溢れていた。魔法の絵筆を振り上げると、絵筆の先からは彼女がこれまで集めてきた絵の具の色が織り成す美しい光が放たれた。

リアはまず中央広場を目指し、広場の真ん中に大きな太陽を描いた。その太陽は黄色の絵の具で描かれ、やがて太陽が現実のものとなり、町に温かな光を放った。次に、彼女は家々の壁や道路に緑や青、赤などの色を加えていった。町のあちこちから、彼女の魔法の絵筆の力に感動する声や歓喜の声が上がった。

住民たちもリアの活動に触発され、彼女を手伝うために出てきた。子供たちは道路や家の壁に花や動物を描き、大人たちは建物や樹木に新しい色を塗っていった。町全体が一つになって、色を取り戻す活動を行ったのだ。

夜が明けると、町はかつての鮮やかな色彩を取り戻していた。住民たちはリアに感謝の気持ちを伝え、彼女の勇気と冒険の物語は長い間町の伝説として語り継がれることとなった。

町の人々は、色が持つ意味や価値を再認識し、日常の中で色とともに生きることの大切さを深く感じた。そして、リアの冒険は町の心に永遠の光として残ることとなった。

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