学院生活は忙しくも充実していた。エリサは厳しいカリキュラムに追いつくため、夜遅くまで勉強する日々を送っていた。彼女の身分が王女であることは公然の秘密であり、それが原因でクラスの中には複雑な空気を感じることもあった。しかし、エリサはその全てを乗り越え、自分の立場を強みに変える方法を学んでいった。
学期の中頃、学院では「初試」と呼ばれる伝統的な試練が行われた。エリサ、ロラン、アリアのチームは、複雑な迷宮を舞台にした課題に挑戦することになった。この試練は単なる魔法の実力だけでなく、チームとしての協調性や戦略を試すものであった。
「大丈夫、エリサ。私たちならきっとクリアできるわ。」アリアがエリサに励ましの言葉をかけると、ロランも「お互いを信じて、一つ一つの課題をクリアしていこう。」と力強く言った。
迷宮の中で、彼らは数々の罠や試練に直面したが、エリサの柔軟な思考、ロランの技術的な知識、アリアの戦略が見事に組み合わさり、困難を乗り越えていった。試練の終わりには、三人の絆はさらに深まり、チームとしての自信も大きく成長していた。
「やったね、エリサ！私たち、いいチームだ。」ロランが笑顔で言うと、エリサも心からの笑みを返した。この経験を通じて、彼女は自分だけではなく、仲間と共に成長することの大切さを学び、さらに次なる挑戦に向けて前進する準備を整えていた。
