桜井さくらは、穏やかな暮らしを送る中で、いつも自宅の庭で花や虫と触れ合い、優しい心を育んできた。ある日の夕暮れ、彼女は不思議な星の形をした葉っぱに触れると、目の前が光に包まれ、異世界エルミナへと転移してしまった。美しい大自然と神秘的な生き物が響き合うエルミナ。しかし彼女が目覚めたのは、静かで暗い森の中。周囲は異様なまでの静寂に包まれており、さくらの心は不安を抱えた。
「私は、どこにいるの…？」とつぶやくと、その瞬間、どこからともなく小さな光が舞い降りてきた。陽太という名の小さな妖精が、「あなたもエルミナに来たの？心配いらないよ、僕が助けてあげる！」と明るく笑った。陽太は、一見無邪気で活発な小さな姿の妖精だったが、その胸の内には大きな優しさを秘めていた。
二人は共に森の奥へ進んでいくことにした。暗い森の中でかすかな希望を感じながら、さくらは少しずつ自分を取り戻していく。すると、突然、前方から剣を持った少年が飛び出してきた。「誰だ、お前たちは！」と叫ぶその少年、リオは、真剣な表情を浮かべていたが、さくらの優しさに触れたとたん、その表情が柔和に変わった。「ごめん、驚かせてしまったね。僕はリオ。この森を守る戦士だ。君たち、エルミナで何を探しているんだ？」
さくらは、自分の心に抱いていた不安を語り、友達を得られたことに嬉しさを感じた。リオは、彼女たちに力を貸すと告げ、共に冒険することになった。さくらの心の中には優しさと勇気が次第に芽生えてきた。
旅の途中で、さくらは様々な試練に直面した。悪戯好きのモンスターに襲われたり、道を見失ったり。しかし、陽太の飛ばす光と、リオの剣の腕が彼女を守ってくれる。そして奇跡的に、さくらは自分が「光の魔法」を使えることに気づいた。力を使うたびに、自分が少しずつ成長していく感覚を感じた。
ある日、彼らは村人たちから、エルミナの平和を脅かす暗い力が近づいてきていると聞かされる。その存在は、暗黒の魔法使いであり、彼の力は村を恐怖に陥れようとしていた。さくらの心が乱れた。彼女の優しさは、仲間や村人たちを助けたいという強い思いに変わった。
「私も戦いたい！」とさくらが力強く叫ぶと、陽太とリオは驚いた。「でも、まだ君は未熟だよ」とリオは続けた。「だけど、さくらの優しさは力になる。信じて行動しよう！」二人の言葉に勇気づけられ、さくらは自身の成長を受け入れる決意をした。
ついに最終決戦の日、暗い力がエルミナを包み込む。仲間たちのため、さくらは自らの魔法をフル活用する。「光輝け、私の友のために！」と叫ぶと、周囲が眩しい光に包まれ、仲間たちとの絆が強まる。しかし、その瞬間、暗黒の魔法使いが襲いかかってきた。リオが身を挺して守ろうとするが、彼の力では歯が立たなかった。
「私がやる！」さくらは、心の中から出てきた光を胸に抱えて前に出る。彼女の優しい心が、強い魔法への原動力となった。「あなたを止める、エルミナを守る！」と叫びながら放つ光の魔法が、暗黒の力に立ち向かっていく。光はどんどん強くなり、彼女の仲間たちの心も一つになり、全力で魔力を送り込む。ついに暗黒の魔法使いを打ち破り、彼をエルミナから消し去ることに成功した。
危機を乗り越えたことで、町の人々は感謝の意を表し、さくらたちの勇気を讃えた。仲間たちとの絆はさらに深まり、さくらはこのエルミナに留まることを決断した。「私は、みんなと共にいたい。ここで新しい冒険を続けたい！」仲間たちもその願いを受け入れ、さくらの成長を見守ることにした。
こうしてさくらは新たな生活をエルミナで始め、彼女の心はいつまでも輝き続けることになる。
そして、彼女たちの冒険はこれからも続くのであった。
