ある日、さやかは自室でゲームに没頭していた。学校の忙しさから解放され、心の中で感じていた不安をごまかすための、唯一無二の楽しみだった。自分がプレイしているのは、異世界を舞台にした大冒険ゲーム。魔法の剣士や、強大なドラゴンと戦う勇者たちのストーリーに、心を奪われている。
しかし、そんな楽しい時間もつかの間。
「さあ、いざ、異世界へ!」
突然、彼女は眩しい光に包まれ、ふわりと浮かび上がった。気がつくと、彼女は見知らぬ草原に立っていた。すぐ近くには、綺麗な色の羽を持つ小さな妖精たちが舞っている。「ここはどこ?」と疑問が頭をよぎる。大好きなゲームが現実になったのか?と興奮する反面、現実味のない状況に若干の不安もあった。しかし、その不安をすぐさま否定するように、彼女は元気よく「冒険が始まるわ!」と叫ぶのだった。
この異世界はなんと、彼女が想像もしなかった「ニート妖精」と呼ばれる種族の住処だった。周囲の妖精たちは、彼女が持つ明るい性格に刺激を受け、どんどん打ち解けていった。楽しい日々が続く中、彼女は「面倒くさいことは、やりたくない」と心に決め、平穏無事に過ごそうと考える。お菓子を食べながら、友達とテーブルを囲み、のんびりと過ごす日々が続いた。
しかし、そんな平穏な日々の裏には、魔王が暗躍していた。彼は人々の心を奪い、苦しめる存在として恐れられていたが、さやかはそのことにまったく気が付かない。妖精たちもなんとか日常を楽しんでいるため、さやかは「異世界は素晴らしい!」と毎日叫んでいた。
ある日、さやかは友人のトトと一緒に魔法を使って遊んでいると、どこからともなく声が聞こえた。「お前の力を使えば、魔王を倒せるかもしれん」そして彼女は、自分が特異な能力を持っていることを知る。恐らく、彼女の「ニート力」が魔王を倒す鍵、そう思わせるような脅迫的な発言だった。しかし、それを聞いたさやかは、ただ「うーん、魔王を倒すなんて面倒くさそう」と返した。
そんな時、さやかが意図せず何かの拍子に力を発揮してしまう出来事が続出。何事もなくすっ飛ばしながら「さっきのはたまたま」とつぶやく彼女を尻目に、周囲ではチャーミングなドジっ子行動が繰り広げられる。トトや他の妖精たちがさやかを手伝おうとすると、逆に彼女のうっかり行動で助言を台無しにすることに。
笑いあり、ハプニングありの毎日が送られていたが、徐々に彼女の行動が周囲に影響を与え続けていることに彼女は気が付く。
やがて、魔王との対決の日が訪れる。一同が集まり、魔王のもとへと突き進んでいく。しかし、その日、さやかが持つ「ニート力」が真の力を発揮した瞬間、彼女は驚愕の事実に直面する。「あれ、私のせいでみんながこんなに傷ついてたの……?」
実は、彼女の明るさが世界中の悲劇を引き起こしてしまっていたのだ。彼女のポジティブなエネルギーで世界が傷つき、苦しんでいると知った彼女は、存在意義を問われることになる。
「私はどうしたらいいの?」さやかはその瞬間、絶望に打ちひしがれた。しかし、彼女の心の奥底にある「何かを変えたい」という願望が燈り始めた。さやかは自分の力を理解し、新たな道を切り開く決意をした。
そして、幾度となく訪れた悲劇を逆転させるため、彼女は仲間たちと共に力を合わせ、魔王に立ち向かう。さやかの独特な視点が周畔の景色を変え、新たな未来が生まれる瞬間が、彼女の目の前に広がった。
戦いが終わった後、彼女は自分の持つ力を正しく使おうと心に誓う。「もしかしたら、私の持っていた力は、みんなの未来を幸せにする力なのかもしれない」
こうして、さやかは現実世界と異世界を繋ぐ架け橋となる旅路を歩き始めた。璃月の空の下、彼女は少しずつ新しい仲間たちと共に、笑いと涙の物語を織りなしていくこととなる。「私は私なりに、世界が幸せになるように頑張る!」と新たな冒険の幕が開かれる。
最後に、「あれれ?私のニート力がこんな風に役立つなんて思わなかったな!」さやかの声が、新たな未来へと続いていた。

















