地球に戻ったリカは、当初の驚きと混乱を感じながらも、再び日常の中に戻った。大学での研究や友人たちとの交流、毎日の生活が彼女を迎えていた。しかし、ツキノカイでの時間やユウトとの甘い思い出は、彼女の心の奥底で色あせることなく輝いていた。
リカは月に関する研究を深め、特に満月の夜には、研究所の天文台でその美しい姿を見つめることが習慣となった。毎回そのたびに、ユウトの温もりや彼と過ごした時間を思い出す。
ある日、リカは一つの発見をした。それは、満月の夜に特定の周波数で信号を送ると、ツキノカイとの短い時間だけの通信が可能になるというものだった。リカはこの発見をもとに、ユウトとの再会を果たす方法を探し始めた。
数ヶ月の試行錯誤の末、ついにその日が訪れた。次の満月の夜、リカは天文台の特製装置を起動した。しばらくすると、装置から微かな信号が返ってきた。それは、ユウトからのメッセージだった。
「リカ、あなたの思いを感じています。私もあなたを忘れることはありません。しかし、私たちの運命は変わらない。永遠に2人は別々の世界に生きることとなる。」
リカの目には涙が溢れた。彼女は装置を通じてユウトに返事をした。「ユウト、私たちは会えないかもしれない。でも、この通信を通じて、私たちは心でつながっている。」
その夜、2人は長時間、装置を通じてお互いの思いを語り合った。それは新たな形の再会であり、2人の愛の証だった。
その後、リカはその装置を使って、月と地球の間の新しい通信方法を開発した。これにより、地球とツキノカイの人々は情報を交換することができるようになり、新たな交流が始まった。
しかし、リカとユウトの関係は変わらず、2人は再び会うことはなかった。それでも、彼らの愛は永遠に続き、それは新しい月と地球の絆として伝えられていった。
リカは後にツキノカイとの交流に関する論文を発表し、その業績で賞を受賞した。彼女の研究は世界中で称賛され、彼女自身もその分野の第一人者として知られるようになった。
だが、リカ自身は、全ての成果よりも、ユウトとの愛を最も大切にしていた。彼女は満月の夜、天文台で月を見つめながら、彼のことを思い出し、心の中で永遠の愛を誓った。
月夜の約束は、2人の愛として、そして新しい月と地球の絆として、永遠に語り継がれていくのだった。
前編 後編


















