二度目の初恋 – 第2話

旅の途中、アイコは実家を訪れることになった。久しぶりに足を踏み入れた自室で、彼女はひとつの古い日記を見つけた。その日記は、彼女が大学時代に書いていたもので、表紙には薄れた文字で「私の宝物」と書かれていた。

アイコは日記を開いた。最初のページから、サトシとの日々が細やかに記されていた。初めて会った日のこと、二人で過ごした楽しい時間、時には喧嘩したこともあり、その都度どう乗り越えていったかが丁寧に綴られていた。読み進めるうちに、アイコの心は過去の自分が感じた幸せ、悲しみ、そして愛情に満ち溢れていった。

その夜、アイコはサトシに日記を見せながら、自分の発見を話し始めた。「サトシ、この日記を見て。私たちのことがたくさん書かれているわ。読んでいると、あなたが話してくれたことが本当だったんだって感じる。」

サトシはアイコが差し出した日記を受け取り、彼女の目を見つめた。「アイコ、それを見つけられて良かったね。でも、もっと大事なのは、君が今、どう感じているかだよ。」

アイコは深く息を吸い込んでから言葉を続けた。「この日記を読んで、私が本当に幸せだったこと、そしてあなたをどれだけ愛していたかがわかったわ。でもそれだけじゃないの。今、私は過去の自分と向き合いながら、あなたへの新たな愛情を感じているの。記憶がない私でも、あなたを愛していると感じることができるのよ。」

サトシの目には涙が浮かんでいた。「アイコ、それを聞けて本当に嬉しいよ。君がそう感じてくれることが、僕にとってどれだけ意味があるか、言葉では言い表せないよ。」

二人は長い間、言葉を交わさずに互いの目を見つめ合った。その瞬間、過去の記憶を超えた新たな愛情が、彼らの間にしっかりと根付いたことを確かに感じることができた。

日記を通じて、アイコは自分自身との対話を深め、過去の自分と現在の自分を統合する旅を進めていった。彼女は、サトシとの関係を新たな視点から見直し、自分の中で成長していく愛を実感していた。

この出来事は、二人の関係にとって大きな転機となった。アイコが自分の過去と現在を受け入れ、サトシへの愛を新たに確認したことで、彼らの絆はより深いものになっていった。二人はこれから先も、どんな困難があっても一緒に乗り越えていけるという確信を共有していた。そして、その絆はこれからの彼らの旅路を支える最大の力となるのだった。

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