ある日、空はどんよりと曇り空が広がり、時折小雨が降り注ぐ気だるい日だった。田村亮は、その日学校で発掘されたタイムカプセルを前にしていた。先生が、クラスで発見したものを一つずつ見せる時、亮は驚くべきものを目にした。それは、10年前に亡くなった幼なじみ、小林陽子が書いた手紙だった。
亮は、陽子と幼少期からの親友で、彼女の死を悲しんでいた。その手紙は陽子が書いた日付が彼女の死の直前で、亮に宛てられていた。彼は、心臓が高鳴るのを感じながらその手紙を開いた。
「亮くんへ、
ずっと言えなかったことがあるんだ。でも、もう時間がない。だから、このタイムカプセルに手紙を入れたんだ。私はもうすぐこの世界を去る。でも、君に伝えたい想いがある。それは、私が隠していた秘密だ。」
亮は息を呑んだ。陽子が何を言いたかったのか、彼にはまだわからなかった。しかし、彼はこの手紙を手がかりに、陽子の秘密を解き明かそうと決意した。
数日後、陽子の母親から、亮は陽子が子供の頃に描いた絵と日記を受け取った。それらを調べるうちに、亮は陽子が自分の命を短くしてまで守りたかった秘密を見つけ出した。それは、彼女が小さな森で出会った、絶滅寸前の小さな生き物の存在だった。
陽子はその生き物を守るために、森で違法伐採を止めようと秘密裏に活動していた。しかし、彼女はその活動中に事故に遭い、命を落としてしまった。亮は、陽子の想いに触れ、彼女がどれほどその生き物を大切に思っていたかを知った。