星の導き – 最終話

永遠の光を胸に

天文台の部屋で、直人は数々の文献を前にしてじっと考え込んでいた。新しい星に名前をつけることは、彼にとって一つの大きな使命として重くのしかかっていた。名前は時代を超えて語り継がれるもの。彼はその名前に自らの想いやメッセージを込めたかった。

陽子は彼の側でサポートしつつ、同時に直人の決意を尊重して彼を見守っていた。「直人先生、どんな名前を考えていますか?」と優しく問いかけると、直人は一瞬の沈黙を保った。

「陽子さん、私たちの時間を振り返って、星に名前をつける答えが見つかると信じています。」直人の言葉には、彼が感じ取った彼らの絆や、過ごした日々への感謝の気持ちが詰まっていた。

直人は閉じていた目を開き、陽子の瞳を真っ直ぐに見つめた。「陽子さん、私たちの出会いや、共に過ごした日々は私の心の中で非常に大きな場所を占めています。あなたは私に勇気や希望、そして情熱を再び感じる力を与えてくれました。」

陽子の目からは感謝の涙がこぼれた。「先生…」

直人は深く息を吸い込み、その答えを告げた。「この新しい星に、『陽の彗星』と名付けたい。陽子さんの名前には、光や希望、そして愛が込められています。私たちの絆や、私があなたに感じた情熱を、この彗星の名前を通して、永遠に宇宙に刻みたいのです。」

陽子は涙を流しながら、直人に抱きついた。「直人先生、私もあなたに感謝しています。私たちの思い出や、先生の情熱が、この彗星の名前として永遠に輝くことを願っています。」

「陽の彗星」はやがて、天文学者たちや一般の人々の間で広く知られることとなった。それはただの名前ではなく、二人の天文学者、直人と陽子の間に芽生えた淡い恋と、その情熱や絆を表していた。

直人は陽子の手を取り、天空に輝く「陽の彗星」を指差した。「陽子さん、これからもこの彗星のように、私たちの想いや情熱が宇宙に輝き続けることを信じています。」

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