風が知っている – 第2話

第1話 第2話

朝露が光る草花に足を踏み入れながら、悠斗、紗枝、進輝は新たな一日の冒険を始めた。目的は一つ、悠斗のスケッチブックに記された謎のシンボルと古い村の伝説との関連を探ることだった。

紗枝がリードし、三人はまず、再び図書館を訪れることにした。「もしかしたら見落としている資料があるかもしれないわ」と紗枝が言った。図書館に着くと、彼らは昨日とは違う角度から資料を調べ始めた。進輝は、昔の地図を広げながら、「この地図に描かれた場所が、スケッチと一致するかもしれない」と提案した。

悠斗はスケッチブックを開き、進輝が指差した場所と自分の絵を比較した。「確かに、この塔はここに描かれている塔と同じだ」と悠斗が言った。その塔は、村の伝説に登場する「守護の塔」と呼ばれていた。伝説によると、塔の存在が村を外敵から守ってきたとされている。

紗枝が興奮して言う。「もし、この塔が実際に伝説の塔だとしたら、悠斗の絵にはもっと多くの真実が隠されているかもしれないわね!」進輝も同意し、「この塔を訪れてみる価値はある。直接調べてみないとわからないこともある」と提案した。

そこで、三人は図書館を後にし、伝説の塔へ向かう決意を固めた。彼らの旅は、村の古い道を通り、忘れ去られた森の中を抜けていく。道中、悠斗は自分のスケッチブックに描かれた風景と、目の前に広がる風景が不思議と重なることに気づいた。「ここは、まるで僕の絵が現実になったようだ」と悠斗がつぶやくと、紗枝と進輝もその神秘的な雰囲気に引き込まれた。

塔が見えてきた時、彼らはその壮大さと古びた美しさに圧倒された。塔の周りを一回りし、入口を探したが、どうやら塔は長い間人の手が入っていないようで、入口は草木に覆われていた。進輝が先頭に立って草木をかき分け、ようやく小さな扉を見つけ出した。

扉を開けると、中からほのかに光が漏れ出してきた。三人は慎重に中へと進んだ。内部は予想以上に保存状態が良く、壁には古い壁画が残されていた。壁画には、村を守る英雄が戦う様子が描かれており、その英雄の姿が悠斗のスケッチブックに描かれた人物と酷似していた。

「これは信じられない…」紗枝が驚きの声を上げた。「悠斗、これを見て!あなたの絵と同じ人物がここにも描かれているわ!」進輝も興奮して壁画を指さし、「この英雄が、伝説の中で語られる人物だ。そして、悠斗の絵にも登場する。これは偶然の一致ではない」

悠斗は壁画の前で立ち尽くし、深い思索にふけった。自分とこの英雄との間に何か関係があるのだろうか。そして、なぜ自分の絵にこの英雄が描かれているのか。多くの疑問が彼の心を駆け巡る。

塔の奥へと進むにつれて、彼らはさらに多くの謎を発見した。塔の最上階には、古い書物が置かれた部屋があり、その中には英雄の伝説だけでなく、村の歴史について詳しく記された文献もあった。

紗枝が一冊の書物を手に取り、ページをめくる。「ここには、英雄が最後に残したメッセージが記されているわ…」そのメッセージは、未来の世代への警告とも取れる言葉だった。それは、悠斗と彼のスケッチブックに隠された秘密を解き明かす鍵となるかもしれないと、三人は感じた。

タイトルとURLをコピーしました