モンスターストーン – 第1章: 第3話

怪獣は凄まじい咆哮を上げ、バランスを崩して地面に墜落した。慶太郎の体はそのまま怪獣に向かって進んでいき、アウルムの意志で新たなスキルが発動された。彼の手が怪獣の体に触れると、その部分から淡い金色の光が広がり、怪獣の姿が徐々に変化していく。まるで怪獣のエネルギーが吸い取られ、形を変えられているかのようだった。

「これでよい。新たな眷属、スラの誕生じゃ。」

アウルムの声が響き渡り、慶太郎の前に現れたのは、一人の女性の姿をした眷属だった。彼女は青い瞳で慶太郎を見つめ、静かに頭を下げた。「私はスラ。アウルム様の眷属です。どうぞよろしく、慶太郎様。」

慶太郎の意識が戻ると同時に、体の重さと疲労感が一気に襲いかかってきた。彼はその場で膝をつき、息を切らしながら周囲を見回した。怪獣は倒れ、スラと名乗る女性が彼の前に立っている。周囲の生徒たちも、遠巻きに恐る恐る彼らの様子を伺っていた。

「何が…起こったんだ…?」慶太郎は声を震わせながら問いかける。しかし、アウルムの声はもう聞こえなかった。彼はただ、自分の中に芽生えた新たな力と、その力の重みを感じていた。

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