ペットの天国 – 第2話

第1話 第2話

第3章: 優しい幽霊、猫のミーちゃん

チーズ山の冒険から数日後、ミユキは店の片隅で一匹の猫の幽霊を見つけた。その透明な猫は、ミユキの大切なペット、ミーちゃんだった。ミーちゃんは生前、店の番犬であるタロウとはあまり仲が良くなかった。しかし、彼女の幽霊は穏やかで、タロウに友情の手を伸ばしたいと願っていた。

ミユキは、ミーちゃんの願いを聞き、ペットたちが和解するためのセレモニーを思いつく。彼女は「和解のセレモニー」をペットショップで行うことにした。ミユキは店の装飾を変え、和やかな雰囲気を作り出すために、柔らかな布を使って壁にカーテンをかけ、床にはクッションを敷き詰めた。そして、タロウとミーちゃんが互いに気持ちを通わせられるように、猫と犬のおもちゃを用意した。

セレモニーの日、店には緊張が走った。タロウは何が起こるのか理解していないようだが、ミユキは彼をリードで優しくセレモニーの場へと導いた。そして、ミーちゃんの幽霊が現れると、店内は静かになり、皆の注目が二匹に集まった。

ミユキはタロウに向かって優しく語りかける。

「タロウ、これはミーちゃんだよ。彼女は今、とても穏やかな気持ちでいるんだ。君に友情のサインを送りたいと思っているんだよ。」

タロウは戸惑いながらも、ミーちゃんの幽霊をじっと見つめた。ミユキは、タロウの頭を撫でながら、ミーちゃんがタロウに向かって優しく前足を伸ばすのを助けた。緊張が解け始めたタロウは、ゆっくりと前足を出してミーちゃんにタッチした。その瞬間、店内には不思議な暖かさが広がり、二匹の間に見えない絆が結ばれたようだった。

セレモニーは成功し、ミーちゃんは満足そうに微笑んで、静かに消えていった。タロウも、何か大切なことを理解したかのように、穏やかな表情を見せた。

ミユキは、ペットたちが和解するためのセレモニーを、これからも続けていくことを決めた。このセレモニーは、生きているペットたちにとっても、亡くなったペットたちにとっても、平和と和解の象徴となり、ペットショップ「ミユキの小さな天国」の新たな伝統となっていった。

和解のセレモニーは、ミユキとペットたち、そして訪れる人々にとって、心を通わせる大切な時間となった。