海の都のプリンセス:アクアリアの秘密 – 第2章

宮殿はさらに大きな揺れに見舞われ、遠くの方から闘争の音が聞こえてきた。セリアはオルヴィンの指示に従い、彼に続きながら複雑な宮殿の通路を駆け抜けた。途中、彼女は何度も後ろを振り返り、戦っている護衛たちや、自らも敵と対峙する王と王妃の姿を目にした。

“オルヴィン、私たちの国は大丈夫なのか?” セリアは息を切らしながら訴えた。

オルヴィンは短く頷いた。”今は安全な場所へと向かうことが先決です。アクアリアの未来は、あなたが探し求める答えの中にあるでしょう。”

二人はついに、宮殿の秘密の出口に到着した。そこは、普段のセリアには知らされていない、宮殿の最も深い部分に存在していた。オルヴィンは壁に埋められた紋章を手でなぞり、秘密の扉が静かに開かれた。その先には、光り輝く魔法の円が浮かんでいた。

“これは、地上へと繋がる魔法のポータルです。” オルヴィンは説明した。”私がこれを開く力は持っていますが、一度開かれればすぐに閉じられ、再び開くことはできません。”

セリアはその事実に驚き、”でも、オルヴィン、あなたは…?”

オルヴィンは穏やかに微笑みながら、”私の役目はここで終わりです。セリア様、あなたは地上で答えを見つけることでしょう。そして、私たちはその答えを待っています。”



セリアは涙を流しながら、”ありがとう、オルヴィン。私は必ずアクアリアを救います。”

オルヴィンは彼女の頭を撫で、”私たちはあなたを信じています。さあ、行ってください。”

セリアは魔法の円に足を踏み入れた。その瞬間、彼女の身体は光に包まれ、気が付くと、彼女は未知の土地、地上に立っていた。まわりには、見知らぬ森や山々が広がっており、空には星が輝いていた。

彼女は深呼吸をし、新たな冒険が始まることを実感した。しかし、心の奥底には、アクアリアと家族への憂いが刻まれていた。

その時、彼女の足元に、小さな光る石が転がっていた。セリアはそれを拾い上げると、石の中から古老の声が聞こえてきた。

“セリア様、これは私があなたに託す、アクアリアの叡智を秘めた石です。地上での旅の中で、この石があなたを導き、答えを探す手助けとなるでしょう。私たちの希望、それはあなたの中にあります。”

セリアは石をしっかりと握りしめ、”オルヴィン…私は、必ず…。” と、固く誓った。

第1章 第2章

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