訓練は翌日から始まった。長老はカイに精神的な集中法、従魔と心を通わせる呪文、そして共に成長するためのリチュアルを教えた。ミコとの絆を深めるための特別な瞑想も行われ、カイはそれに日々励んだ。
ある日、練習中にカイは突然、ミコの感情が自分に流れ込んでくるのを感じた。「ミコ、君が何を感じているか、今ならわかるよ…」カイは驚きながらも嬉しそうに呟いた。ミコはそれに応えるかのように、優しく鳴き、カイの足元で転がった。
しかし、この特別な能力が彼と村の他の子どもたちとの間に微妙な距離を生んだ。ある子は羨望の眼差しを向け、別の子は恐れを隠せずにいた。カイはこれに直面し、混乱する心を抱えつつも、ミコとのリンクを通じて自分の感情を安定させる術を学んだ。
「カイ、人々が君をどう見ようと、大切なのは君とミコとの絆だ。その力を育て、正しく使うことだ。不安に思うなら、いつでも私のところに来なさい」と長老はある日、彼に言葉をかけた。
カイはその言葉を胸に、自分とミコだけではなく、村全体との調和をどう築いていくかを考え始めた。彼は自分の能力を村のため、そしてより大きな善のために使うことを誓った。そしてその誓いは、彼がこれから直面する試練への強い意志となった。
