「これは…」ミリアの声が小さく震えた。足を踏み入れると、冷たい空気が彼女を包み込む。壁には古びた本がぎっしりと並んでおり、その中には見たこともないような装飾が施された本や、古代の言語で書かれたものもあった。彼女は手に取る本ごとに、新たな発見と驚きを感じていった。
その時、彼女はふと祖父の言葉を思い出した。「本には魔法が宿っているんだよ、ミリア。本を開くたびに、新しい世界が君を待っている。だから恐れずに、どんな扉も開けてみるんだ。」祖父は昔の冒険家で、世界中の秘密を追い求めていた。
ミリアは深呼吸をして、さらに書庫の奥へと進んでいった。その中で、特に一冊の大きな革製の表紙の本が彼女の目を引いた。本を開くと、突然、部屋の中が光で満たされ、ミリアはその場から動けなくなった。文字が浮かび上がり、彼女の周りを舞い、やがて一つの声となって彼女に語りかけた。
「ようこそ、影の書庫へ。あなたがここに足を踏み入れたからには、もう後戻りはできない。」
ミリアはその声に導かれるまま、本の中の世界へと一歩踏み出した。それは彼女の新たな冒険の始まりだった。
