第5話: 新たな仲間、レイナ
ミリアとエディンが「森の書」の厚い表紙を開くと、二人は一瞬にしてその書かれた世界へと吸い込まれた。彼らの足元に広がるのは、密生した樹木が生い茂る暗く湿った森だった。空気は冷たく、どこか神秘的な雰囲気で満ちていた。
「ここが次の本の世界か…」ミリアが周囲を警戒しながらつぶやくと、エディンは剣を抜いて用心深く前を歩き始めた。「気をつけろ、ミリア。この森はただ者ではない。」
彼らがしばらく進むと、突然のざわめきが森全体に広がり、二人は立ち止まってその音の方向を窺った。音の源へと近づくにつれ、急に空が暗くなり、辺り一面が霧に包まれ始めた。その霧の中から、一人の女性が現れた。彼女は長い黒髪を風になびかせ、深紅のローブを身に纏っていた。
「誰だ、この森に足を踏み入れたのは?」女性が冷たい声で問うと、ミリアは思わず前に一歩出た。
「私たちは、魔法のキーを探しています。偶然、この森に来たのですが…あなたは?」
女性は少し表情を和らげ、「私の名はレイナ。ここでは迫害されている魔女だ。なぜこの危険な場所へ来たのか、理由がわかった。私もまた、あるものを探している。」