エルダの守護者たち – 第三章『影の迫り来る時』 後編

その夜、ケンジは村の見張り塔で見回りをしていた。月明かりが静かに村を照らし、冷たい風が吹いていた。リオもまた、見張りに加わっていた。二人は静かに村の周囲を観察しながら、何か異変がないかを確認していた。

「ケンジおじさん、静かだね…」

「ああ、だが油断は禁物だ。敵がいつどこから来るか分からないからな。」

その時、遠くの茂みから微かな物音が聞こえた。ケンジはすぐに身構え、リオに静かにするよう合図を送った。二人は音のする方に注意を向け、慎重にその場を離れた。

「リオ、あそこに誰かいる。確認しに行くぞ。」

リオは緊張した表情を浮かべながらも、ケンジの後に続いた。二人は茂みの中に隠れ、音のする方向を観察した。そこには、一人の男が隠れていた。彼は周囲を警戒しながら、何かを探している様子だった。

「スパイかもしれない…」ケンジは小声でリオに囁いた。「今だ、捕まえるぞ。」

ケンジとリオは一斉に男に飛びかかり、その場で取り押さえた。男は驚いた表情を見せながらも、すぐに抵抗を始めた。

「離せ!お前たちに何が分かる!」

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