過去からの解放
神社の敷地内で、田中は砂時計の由来を知るために調査を始めた。神社の神職から、砂時計はかつて時を操る神に捧げられていたと聞かされ、田中は深い恐怖に襲われた。その神は時の流れを司り、誤って過去を変えた者に対して厳しい罰を与えるとされていた。
田中は神職から、砂時計を利用する際は敬意を持ち、過去を変えないようにすべきだと教えられた。その神は過去の出来事を変えることを許さない。その理由は、過去を変えることで現在が曲がりくねった道となり、異形の怪物が生まれるからだと言われた。
その言葉を聞いて、田中は自身が過去に介入し、その結果、愛する人々が怪物に変わってしまったことを深く後悔した。神職に祈りを捧げ、自分の罪を償う方法を尋ねた。神職は黙って砂時計を見つめ、語った。「砂時計の力を使って、自分が過去で犯した過ちを正すのだ」と。
田中は砂時計を見つめ、再び過去へと戻る決意をした。彼が犯した過ちを正すため、そして友人や家族を元の姿に戻すために。田中は砂時計を逆さまにし、再び時間の渦に身を任せた。
田中は過去の自分と対峙し、その自分が犯した過ちを見つけ出す旅を始めた。そして、その過ちを正し、過去の出来事を元通りに戻すため、彼は自分自身と戦った。それは心の中での戦いであり、田中自身が最大の敵であった。
次々と過去の田中に出会い、その都度過ちを正していく。そして、その都度、田中の心は軽くなり、希望の光が見え始めた。
田中が現在に戻った時、周りの世界は元通りだった。怪物たちはもういない。友人や家族が元の姿に戻っていた。田中は深い安堵感に包まれ、涙がこぼれた。
砂時計を手に、田中は再び神社へと向かった。神職に深く頭を下げ、砂時計を返した。二度と過去を変えようとは思わない。田中はその誓いを神職に伝え、神社を後にした。
その後の田中は、過去を変えることの重大さと、自分の行動が他人に与える影響を深く理解し、新たな人生を歩み始めた。それは恐怖から解放された新たな始まりだった。
