砂時計の呪い

始まりの砂

田中は地元の古物市で目を引く砂時計を見つけた。金色の縁取りが美しく、その魅力に抗えず手に入れた。夜、彼は部屋の中でその砂時計を眺めていた。砂が下に落ちる度に、周りの部屋が過去の風景へと変化していくのに気づいた。驚きつつも、田中はその力に興味を抱いた。

砂時計を利用し、田中は過去の楽しい瞬間へと戻った。高校時代の友人たちと過ごした夏の日、初めて彼女とキスを交わした瞬間。しかし、その都度彼が現実に戻ると、周囲の人々が少しずつ異形の姿に変貌していた。

初めは気づかなかったが、違和感は徐々に明らかな恐怖へと変わった。田中の母親は体全体が青白く蠢き、父親は目が大きな口に変わり、その口からは不気味な音が響いていた。田中の親友・小林の姿もまた怪物的なものへと変わっていった。

田中は砂時計が原因だと理解し、なんとか砂時計の呪いを解こうとした。しかし、どう試みても砂時計の力は制御できず、彼の周囲の現実はどんどん悪化していく。

小林が最後に怪物に変わったとき、田中は絶望した。彼の最後の理解者であり、心の支えだった小林が、目の前で蠕動する醜悪な姿に変わったのだ。しかし、田中は諦めなかった。友人たちを救うため、そしてこの恐怖から解放されるために、彼は砂時計の秘密を探す旅に出る決意をした。

砂時計を手に、田中は古物市の売り手に会いに行った。売り手は驚いた顔をしたが、田中に砂時計の出所を教えた。それは田中の地元にある古い神社で、神社の神職が長い間守ってきたものだった。神秘的な力を持つと言われ、神職はその力を恐れ、誰にも見せることなく保管していた。しかし、何らかの理由で神職はそれを手放し、古物市の売り手がそれを手に入れたのだった。

田中は神社へと向かった。怪物たちが彼を待ち受ける現実から逃げ出すように、彼は夜の街を駆け抜けた。神社の鳥居をくぐると、彼を待ち受けているのは古き良き時代の静寂だった。そして、彼の探求が始まったのだった。

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