最後のメッセージ – 第一幕: 不穏な手紙 前編

不安を抱えながらも、カズキはアユミが最後に住んでいたというアドレスを頼りに、すぐにでも向かおうと考えた。しかし、それがどれほど危険な行動かも分かっていたため、彼はまず大学時代のもう一人の友人であるヨシオに相談することにした。

ヨシオとは卒業後も定期的に連絡を取り合っており、彼はカズキの心配をよそに冷静だった。「まずは、警察に行ってみたらどうだ? それに、アユミがどんな状況にあるのか、他に手がかりはないのか?」

カズキはヨシオのアドバイスに従い、最寄りの警察署へ行って手紙を見せたが、警察からは「これだけでは具体的な危険が確認できず、行動に移すことは難しい」と言われてしまう。結局、彼は自分で何かをする以外に手立てがないことを悟った。

翌日、カズキはアユミがかつて住んでいたアドレスが記された紙片を握りしめながら、その場所へと向かう決心を固めた。電車とバスを乗り継ぎ、たどり着いたのは見慣れない郊外の古びたマンションだった。彼がインターホンを鳴らすと、出てきたのは中年の女性で、「アユミさん? ああ、彼女ならもう何年も前に出て行ったわよ」とのことだった。

何の手がかりも得られずに立ち尽くすカズキ。しかし、彼は諦めるわけにはいかなかった。アユミが何を意味するのか、「−−−に囚われている」というその言葉の真意を解き明かすため、彼はさらにその地を探索することにした。そして、彼の長い夜が始まるのだった。

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