最後のメッセージ – 第一幕: 不穏な手紙 後編

途中、彼は古い友人であるミチコに電話をかけた。ミチコもまた大学時代の仲間で、アユミとは特に親しかった。

「ミチコ、ちょっと聞いて欲しいんだ。アユミから手紙が来て、彼女が困ってるみたいなんだ。」

ミチコの声は驚きに満ちていた。「えっ、アユミから? どんな内容なの?」

「彼女が何者かに囚われているって書いてあるんだ。具体的な場所は書かれていなかったけど、今、彼女が最後に住んでいたアパートに向かってるところなんだ。」

「それは心配ね。何か手伝えることがあったら言ってよ。」

「ありがとう、ミチコ。何か分かったら連絡するよ。」

電話を切り、カズキは再び前を向いた。彼の心は不安でいっぱいだったが、友人を助けるためならどんな困難も乗り越えなければならない。車はさらに速度を上げ、夕暮れ時の光の中を走り続けた。

アユミのアパートに到着すると、カズキは深呼吸を一つしてから車を降りた。周囲はすでに薄暗くなり始めており、不気味な静けさが辺りを包んでいた。彼はバックパックをしっかりと肩にかけ直し、アパートの入り口へと歩き始めた。それは彼にとって未知の世界への一歩であり、何が待ち受けているのか誰にも分からなかった。

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