最後のメッセージ – 最終幕: 閉ざされた道 前編

第14話: 影響と調和

アユミとヨシオは現実世界への帰還後、異界での経験を人々に伝えるための道を歩み始めた。アユミはカズキの犠牲と自らの体験を綴った書籍を出版する決意を固め、その内容は異界の実在とそこでの出来事を詳細に記述していた。

アユミは出版社を訪れ、担当編集者との会議で彼女の手記がどれほどの影響を与えるかについて熱心に語った。「この本は、私たちが経験した異界の事実を世に問うものです。カズキが私たちのために犠牲になった真実を、皆に知ってほしいのです。」

出版されたその書籍は、多くの読者に衝撃を与えた。一部からは懐疑的な反応もあったが、新たな超自然現象の証言として真剣に受け止める人々も増えていった。メディアはこの話題を取り上げ、アユミはテレビやラジオのインタビューに多数出演し、異界の存在について議論を深めていった。

一方、ヨシオはカウンセラーとしての新たな道を歩み始めていた。彼は異界での体験を生かし、特にトラウマを抱える人々を対象としたカウンセリングを展開。彼の独自のアプローチは多くの支持を集め、「異界体験から学ぶ心のケア」というテーマでセミナーを開催し、参加者からは感謝の声が寄せられた。

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