「この家族が囁き声の主なのか…」健一は呟いた。「彼らに何が起こったのかを調べなければならない」
美咲は日記帳を手に取り、ページをめくり始めた。「ここに書かれているわ。最初は何の問題もなかったけれど、ある日を境に奇妙な出来事が起こり始めたと書いてある」
健一は美咲の隣に座り、日記の内容に耳を傾けた。「具体的にどんな出来事が起こったんだろう？」
「囁き声が聞こえるようになったって。最初は微かだったけれど、次第に大きくなってきて、家族全員がその声に悩まされるようになったみたい」
美咲はページをめくりながら読み続けた。「その声は助けを求めるようなもので、家族は次第に精神的に追い詰められていった。最後には、家族全員が狂気に陥り、悲劇的な結末を迎えたと書かれているわ」
「まさに僕たちが今経験していることと同じだ」と健一は言った。「この家族の誰かが怨霊となり、成仏できずにこの家に囚われているのかもしれない」
「それなら、彼らを解放する方法を見つけなければならないわ」と美咲は決意を新たにした。「そのためには、もっと詳しく調べる必要がある」
二人は引き続き、屋根裏部屋や地下室、リビングルームを徹底的に調査した。古い家具や箱の中から次々と手がかりを見つけ出し、過去の家族の生活を紐解いていった。
