一方、ローレンスは、古代の象形文字や紋章の映像が映し出されたモニターを見つめながら、「あの日、我々が目の当たりにした狂気と絶望――それは、単なる過去の悲劇ではなく、未来へと続く希望の証拠でもあります。古代文明の真実は、今まさに我々の前に姿を現し始めている。私の研究が示すところでは、これらの記録は次なる探査の大きな手がかりとなるでしょう」と、柔らかいが力強い声で語った。
中村は、隊員たちのデータや体調報告を照合しながら、静かな決意の中で続けた。「私たちは、今、すべての記録をもとに、次なるステップを考える必要があります。失われた命に対する感謝と、そこから得た教訓を、未来への挑戦へと変えるのです。私たちは、決して恐怖に屈してはならない。これが、真実への道を切り拓く唯一の道だから」
斎藤は、データのグラフが示す異常な数値や、映像に残る戦いの痕跡を指しながら、「すべての記録は、ただ単に私たちが体験した苦悩の証ではなく、次への希望となる。この探査ミッションの記録は、未来の探査隊だけでなく、後世に伝えられるべき歴史の一部となる。失われたものを悼むと同時に、私たちは、その記録を通じて、新たな真実へと挑むのだ」と、静かに、しかし確固たる意志を持って語った。
艦内では、隊員たちが各自のコンソールに向かい、詳細なデータの整理や記録作業に集中していた。無言の中で、古代の謎と向き合う真剣な眼差しが、次々と流れる映像や数値に映し出され、過ぎ去った戦いの余韻と、失われた仲間たちへの哀悼が、空気の隅々に漂っていた。
「皆、今は静かに、しかし確実に、これまでのすべてのデータをまとめてください。私たちがこの深海の探査で学んだことは、決して無駄にはならない」と斎藤は、隊員たちに向けて最後の指示を出し、全員はその声を胸に、新たな未来への挑戦を誓い合うかのように、厳かな空気の中で作業を続けた。
