地方の小さな町に位置する桜の名所、さくら公園。ここで主人公のタクミは、管理人として雇われている。ただし、その仕事ぶりは非常におろそかで、毎日ごろごろしている。
「タクミ君、またサボってるの？」と、近所のおばあさんが微笑みながら声をかける。
「えへへ、今日は雲を数える日なんですよ！」タクミは真顔で答えて笑いを誘う。
彼の性格は、周囲の人々にいつも笑顔をもたらす。町の若者たちも、タクミと一緒にいると元気が出るようだ。しかし、ある日、公園に現れたライバル、キョウスケがタクミの穏やかな生活を揺るがすことになる。
「聞いてるか、桜のプリンスタクミ！お前のその無責任さが、桜に悪影響を与えているんだ！」
キョウスケは真剣な表情を崩さず、桜の保護活動に熱心な若者だった。彼の真面目さに、タクミはイライラするよりも楽しさを覚え、「お前、桜の秘密兵器でも持ってるのか？」などと冗談を言った。
その後、タクミは少しずつキョウスケの真剣さに心を動かされ始める。「桜を守るって、そんなに大切なことなんだな。」
しかし、楽しい日々は長く続かなかった。ある日、桜の木が急に枯れ始めた。町は混乱し、「どうしよう、どうしよう！」と人々が言い合う中、タクミとキョウスケは協力して状況を分析することにした。
「まずは、原因を探らないと！」キョウスケの声には焦燥感があった。
その原因を突き止めるために、二人は公園の周辺をくまなく調べる。「みんなが食べないように、何かが桜を狙っている。」
そしてついに、二人は岸辺で怪しい影を見つけた。それは、甘党のモンスターだった。体は大きく、甘いものを大量に食べている姿は、一見夢のようだが、実態は厄介な存在であった。「桜ダイエット」と名乗る彼は、桜の木を根元から食べ尽くそうとしていた。
「何で桜なんだ！」タクミは突込みを入れる。「他にも甘いものはたくさんあるだろ？」
「俺のダイエットメニューは、桜を採らないと決まってるんだよ！」モンスターは口を開けて笑った。
タクミはすかさず、変顔をして振る舞う。「甘いものには甘い返しだ！」
そして、始まる奇妙なコメディバトル。タクミがまるで子供のような振る舞いをしながら、モンスターを挑発する。
「お前、桜を守りたいなら、もっと家でクッキーでも作るべきだ！」
モンスターはそのことに激怒し、タクミの言葉に乗り上げて体当たりをしてきた。しかし、タクミは軽やかにかわし、「ほら、こんなに自由にしてるのに、なんで俺の桜を狙うんだ？」
この一連のくだらない攻防戦が続く中、さすがにキョウスケも声を荒げた。「タクミ、お前、どういうつもりなんだ！」
「これが俺のやり方さ！面白おかしく解決するのが一番の大事だ！」
心配していた人々も、タクミとキョウスケの珍騒動を見て次第に笑顔に。
突如、モンスターは桜の木を守っているのではなく、実は婦人会の町内の企画であったことが発覚！「桜ダイエット」と名乗ることで、町の人々を惹きつける新しい祭りを計画していたのだ。
「おいおい、最初から桜を守るためのイベントだったのか？」タクミは笑いをこらえる。
キョウスケも、その内容を聞いて顔が引きつった。
結局、モンスターは町の舵取りを任されたまでだった。タクミも無邪気な提案を持ち込んだことから、最終的に桜祭りのメインイベントの司会を任されることに。
誰よりも楽しいことを取り入れ、それを町の笑いに変えるタクミ。
「これからもみんなを楽しくさせる仕事が待っているんだな。」
大人になったタクミは、物語に固執するのではなく、未来を見据えて町のエンターテイナーとして、陽気な日々を送り続けるのだ。
