色を失った町 – 第2話

緑の精霊:平和と再生

深い森への入口に差し掛かると、リアは木々のざわめきや鳥たちのさえずりに包まれた。空気は清々しく、それぞれの木や草花が生命力に満ちていることが感じられた。森の中央には、巨大な古木がそびえ立ち、その周りには青々とした葉が茂る木々が広がっていた。

リアが古木の近くに近づくと、葉の間から一筋の光が地面に差し込み、その光の中央に美しい緑色のドレスを身に纏った女性が現れた。

「あなたは…緑の精霊?」とリアが尋ねると、女性は穏やかに微笑んで言った。「そう、私は平和と再生の精霊、緑の精霊よ。」

リアは緑の精霊に、町の色を取り戻すための旅と、赤の精霊から絵の具を受け取ったことを話した。緑の精霊はじっくりとリアの話を聞き、その後、考え深く言った。「あなたの願いを叶える前に、あなたの心の平和と再生への理解を試す試練を与えることにしよう。」

突然、森の中から不安を感じさせる黒い霧が立ち上ってきた。霧はリアの周りを取り囲み、彼女を閉じ込めてしまった。しかし、リアは怖がることなく、自分の心の中で平和と再生の意味を考え続けた。心の中で、町の住民たちの笑顔や、再び色鮮やかになる町の景色を思い浮かべた。

その後、リアの前に小さな草の芽が現れた。彼女はその芽を優しく手で包むと、芽は急速に成長し、美しい花を咲かせた。黒い霧は消え去り、再び森は静かな平和を取り戻した。

緑の精霊は微笑んで言った。「あなたの心は真に平和と再生を理解している。」そして、リアに鮮やかな緑色の絵の具を手渡した。「これを使って、町に平和と再生の色を取り戻してね。」

リアは感謝の気持ちで緑の精霊に頭を下げ、新たな絵の具を手に次の目的地へと向かった。

第1話 第2話

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