色を失った町 – 第3話

第1話 第2話 第3話

青の精霊:信頼と真実

リアの次の目的地は、大海の向こうに浮かぶ孤独な島だった。祖父の日記によれば、この島には信頼と真実を司る青の精霊が住んでいるとされていた。

波立つ海を船で渡りながら、リアは自分の旅と、これまで得た絵の具について考えていた。大海を目の前にすると、人の心の奥深さや広がりを感じずにはいられなかった。

ついに、リアの船は白い砂浜の美しい島に到着した。島の中央には、青く輝く神秘的な湖が広がっていた。湖の中心には、水面に浮かぶ小さな舞台のような場所があり、その上には青いローブをまとった男性が立っていた。

リアが近づくと、男性は静かに話し始めた。「私は青の精霊。人々の心の中の信頼と真実を見守ってきた。あなたが何のためにここに来たのか、すでに知っている。しかし、私の絵の具を手に入れるためには、あなた自身の真実を語る必要がある。」

リアは深く息を吸い、自分の心の中を探り始めた。町の色を取り戻すための旅、これまでの出会い、そして何よりも、町と住民たちへの深い愛情と願い。彼女は自分の気持ちや考えを、遠慮なく、正直に青の精霊に伝えた。

青の精霊は優しく微笑み、リアの頭を撫でながら言った。「あなたの心は純粋で、真実を隠さずに話すことができる。それは大切なことだ。」

そして、青の精霊は小さな瓶に入った鮮やかな青の絵の具をリアに手渡した。「これを使って、町に信頼と真実の色を取り戻してください。」

リアは感謝の気持ちを込めて青の精霊にお辞儀をし、島を後にした。船を漕ぎながら、彼女は次の目的地への希望と期待を胸に秘めて進んでいった。

タイトルとURLをコピーしました