ある小さな町に住む、ちょっぴりおっちょこちょいの男の子、タカシは、いつもニコニコしている元気な子だ。タカシはいつも周りの友だちを大事に思い、助けることが大好きだが、ちょっとしたドジっ子で、よく失敗してしまう。今日は特別な日、友だちと共に「最高のピクニック」を計画することになった。気合を入れて準備を始めると、いろいろな面白いハプニングが待ち受けていた。
タカシは、朝から友だちのユウタとミホを自宅に呼び、ピクニックのお弁当を一緒に作ることにした。タカシはサンドイッチを作る役割を担当したが、パンを切り取るとき、間違って指を切ってしまった。「あっ、痛ーい！」と叫ぶと、ミホがすぐに飛んできて、「大丈夫？タカシ！」と心配の声をかけてくれた。その優しさにタカシは胸が温かくなる。
「それじゃあ、サンドイッチは任せて！次はフルーツを用意するね」とミホが言うと、ユウタは「僕も手伝うよ！」と言ってバナナを持ってきた。しかし、ユウタが持ってきたバナナは真っ黒くなっていて、まるでピクミンのように見えた。「あれ？これは食べられないよね？」
そんなアクシデントが続くなか、お弁当を作っていると、タカシがうっかりジュースの瓶を落としてしまった。ジュースは地面にぶちまけられ、周りにきれいな虹色のシミを作った。「わぁ、これ、花畑みたい！」ユウタとミホは大笑いした。タカシも「すごくきれいだね」と笑顔になる。
準備が終わると、みんなでピクニックに出発することにした。リュックを背負うと、タカシはウキウキした気持ちで公園に向かったが、道に迷ってしまった。「あれ？こっちじゃなかったかな？」と不安になりながら、タカシはまったく違う道へ。友だちは後ろから笑いながら、タカシの失敗をフォローした。
「先に進もう、タカシ！その道の先を見て！」ミホが声をかけると、逆方向の果物の木が見えた。「あれ！カラフルな風船が引っかかっている！」とタカシが叫ぶと、ユウタは「もしかして、風船を取ればピクニックの幸運をもたらすかも！」と言い出した。さっそくタカシは木に登ったが、風船を取るつもりが、思わぬところで木の枝に引っかかってしまった。「わぁー！助けてー！」
周りの友だちは大爆笑していて、「タカシ、気をつけて！」という声が響いた。タカシはおっちょこちょいだが心優しい子供で、周りが笑っているのを見ると、少し恥ずかしくもあるが、何も悲しくなかった。無事に降りると、タカシは他のフルーツを取り、ピクニックの準備を再開した。
公園に着くと、さっそくピクニックシートを広げた。計画通り、皆でお弁当を食べる予定だったが、タカシは他の仲間と一緒にサンドイッチを乗せる皿を逆さまに持ってしまい、「え？今度はどっちが表？」と考えているうちに、サンドイッチが空中へ舞い上がった。「あぁ、もったいない！」みんな大笑いしながらそのサンドイッチの行方を追った。
笑いが止まらない中、ミホが言った。「タカシのアイデアで最高のピクニックができそうだぞ！」その言葉でタカシの心も元気になった。「みんな、失敗も一緒に楽しめばいいんだね！」と、心から思った。
ピクニック中、いろいろなハプニングが続いたが、みんなはそれを楽しむどころか、タカシが失敗したおかげで、楽しい思い出がたくさんできた。友だちたちはそのたくさんの経験を大事にしあって、笑顔を分かち合った。
最後には、みんなでハンモックに揺れながら空を見上げ、「最高のピクニックだね！」と言って、お互いの成功と失敗を称え合った。タカシは優しさと仲間の大切さを改めて実感し、町中に笑顔が広がる素敵な日になったのである。
