言語学者の佐藤が倒れてから数日後、彼の病状は少しずつ改善の兆しを見せていた。それでもなお完全に元気になるまでには至らず、本格的な活動には参加できない状態だった。しかし、その間もチームは彼を守りつつ、幽霊塔探求の旅を続けていた。
その後もチームは遺跡を詳しく調査し、石板に刻まれたヒエログリフの解読を進めていた。一方で、地理学者の田中は地図を熟読し、幽霊塔の存在するとされる場所を突き止めていた。
ある日、田中が興奮した顔をして富士原の元へ駆け寄ってきた。「富士原博士、この地図、おそらく幽霊塔の位置を示しているんじゃないかと思います。」
彼が持ってきた地図には、遺跡から北西に進んだ場所に大きなマークが描かれていた。そのマークは、石室に描かれていた幽霊塔の記号と同じ形をしていた。
富士原はその地図を見つめ、一瞬でその重要性を理解した。「これが我々が探していた幽霊塔の場所かもしれない。」
しかし、その瞬間、地震のような振動が遺跡全体を揺り動かした。それは突然のことであり、その衝撃に皆がバランスを崩して転倒した。そして、振動が止んだと同時に、遺跡の中にある通路が崩れ、入口が塞がってしまった。
富士原とチームは驚きと共に、新たな困難に直面していた。彼らは閉ざされた入口を見つめ、出口を見つける方法を必死に考えた。この状況下で、チームはさらに団結しなければならないことを理解していた。
そこで富士原はエンジニアの中村に指示を出した。「中村、何とかこの閉じ込められた状況をどうにかできるか?」
中村は富士原の言葉にうなずき、懸命に通路の修復に取り組み始めた。他のメンバーもそれぞれができる範囲で手伝い、作業を進めた。
しかし、作業を進める中で、再び事件が起こる。それはエンジニアの中村が突然倒れ、意識を失ってしまったことだった。