笑う死体、笑う老人

静かな田舎町の小さな図書館、その名も「夢の図書館」。85歳のコサエは、この図書館の司書であり、毎日笑顔で本を整理していた。彼女の無邪気な笑顔は町の人々を温かく包み込んでいたが、そんな彼女の日常はある事件によって揺らぐことになる。

ある晴れた日の午後、コサエは図書館の隅を掃除していたとき、一冊の古びた本を見つけた。その本は、長らく忘れられていたかのようにほこりまみれだった。彼女は興味を持ってその本を開いてみると、驚愕の光景が広がっていた。なんと、その本の中には、町で悪名高い怪盗「ダークマスク」の死体の写真が挟まっていたのだ!

「これでまた面白いことが起こりそうだわ!」と、コサエは心踊らせながら言った。彼女のその言葉には、微笑ましい好奇心がにじんでいた。コサエは、自らの好奇心を抑えきれず、仲間たち――図書館の常連客であるおばあさんたち、そして近所の洒落た青年に助けを求めることにした。

「皆さん、この本見て!」とコサエは仲間たちを呼び寄せた。

いつもはお喋り好きで楽しそうなハルエおばあさん、ちょっと気難しいけど面白いミカおばあさん、そして、いつも真面目なユウジ君が集まってきた。彼らは最初こそ驚いたものの、すぐにその光景を信じられない様子で眺めた。コサエはその本を見せながら、彼女の中でこの事件を解決してやるという使命が芽生えていた。

「まず、町の人々にインタビューして情報を集めましょう!」コサエが提案すると、仲間たちは賛成した。よし、早速行動だ!

町の中心部、広場では、いろんな人々が行き交っている。コサエは仲間たちと共に人々に話を聞いて回り、町中の噂話をキャッチした。中には、町の年寄りたちが「ダークマスクは、毎晩図書館に出没していたに違いない」とか、「彼は幽霊にでもなったのだろう」と驚くような話をしていた。

逆に若者たちは、「そんなこと面白がりすぎ!」と笑い飛ばした。コサエはそんな言葉にむしろ興味を惹かれ、こちらを取材し続けた。

「やっぱり幽霊なんだろ? 真夜中に図書館におばあちゃんたちが集まって怪談大会を開くと、本当に出るかも!」相変わらず無邪気な雰囲気で、彼女の心はすっかり事件解決に夢中になっていた。

日が経つにつれ、笑いに満ちたコミカルな出来事が次々と起きた。ハルエおばあさんが町の広場でインタビューをしていると、彼女は突然転んでおでこを打ち、そのままコサエの隣に転がった。本を持っていたミカおばあさんも慌てて転び、その本が空中回転をしながら飛んでいく。町の若者たちは大爆笑だった。

「コサエ、気にならなかった?」とユウジ君が尋ねる。

「大丈夫、笑っているのが一番よ!」コサエは笑い返す。

そんな笑いの中でも、彼女は少しずつ事件の真相に近づく気配を感じていた。次々と次元を超えた情報が集まり、全てが一つの線で繋がっていく。ついに、ダークマスクの過去についてのデータが見つかった時、心のどこかに不安が募ったが、彼女は笑顔を保つ。

コサエはそのデータを元に、町の人々との関わりや彼らの過去、そしてダークマスクの家族のことにまで話を広げていった。彼女自身も、あまり知らなかった町の歴史と出会いながら、仲間たちと共に新たな物語を描く一歩を踏み出していた。

日が暮れる頃、コサエはとうとう全貌を理解した。フラッシュバックのように町の人々の声が頭を巡り、次第に一つの真実が浮かび上がってきた。どうやら、このお話は町の裏に隠された笑い話のようだった。そして、彼女の昔からの親友であった男性が、実はこの怪盗ダークマスクの正体であった。

「ええ!何、それ!」とコサエは笑い飛ばした。

「実は、彼が昔から面白おかしい理由で怪盗になっていたのだ。お金のためでもなく、遠い記憶を引きずりながら、仲間たちに笑顔を届けるために活動していたらしい。あの強面の彼が、いつも冷静なのにこんなコミカルな一面を持っていたなんて信じられないわ!」

最後に、コサエとその昔からの友人は再会し、彼に「やっぱり、お前はそういう奴だ」と言い放つ。彼らは未来への希望を語り合い、図書館で新しい本を書く約束をした。

「人生はユーモラスだね!よし、読者に新しい笑い話を届けよう!」そう言うコサエの笑顔は、再び町の人々に影響を与えていくだろう。笑う死体や笑う老人たちの日常のおかげで、町には新たな物語が生まれ、笑いが絶えない将来が待っているのだ。

図書館の灯りがともる頃、コサエと仲間たちは新たな冒険の準備を始めた。

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