「この都市には素晴らしい音楽文化があるね。きっと音楽祭でも生かせる」と、アキラは感嘆の声をあげた。
「ええ、素敵な音色です。私たちの音楽祭に参加してもらいたいですね」とリーナも興奮気味に頷いた。
アキラは楽器職人たちと話をし、彼らが演奏する音楽の歴史や技術について尋ねた。職人たちは嬉しそうに答え、楽器の作り方や音色の違いについて詳しく語ってくれた。
「こんな楽器を使えば、きっと新しい音楽が生まれる」と、アキラは様々なアイデアを思いついた。交易都市の市場を一通り歩いた二人は、現地のミュージシャンたちとも出会い、音楽祭への参加を呼びかけた。
「素晴らしい音楽を持つ皆さんと一緒に、メロディア全土で音楽祭を開きたいんです」とアキラが提案すると、ミュージシャンたちは興味津々で参加を約束してくれた。
その後、アキラとリーナは王都へ向けて再び旅を続けた。途中の村々や町にも立ち寄り、伝統的な音楽文化や、精霊たちと共演するパフォーマンスを調査していく。各地で見つけた音楽の多様性にアキラは感銘を受け、その全てを音楽祭で一つにまとめるという目標をより確かなものにしていった。
ある村では、巨大なハープが広場で響き渡り、精霊たちがその音色に合わせて空を舞っていた。別の町では、弦楽器と打楽器の見事なアンサンブルが、踊る人々の足音と共に流れていた。
