「しかし、今こそ互いの力を信じ合う時。組織の狙いは、我々を内部からも揺るがすことにあるはず。だからこそ、我々は強くならなければ」
陽斗は、静かに頷きながら、自らの内面に向き合った。転生してからこれまでの戦いの中で、自分の中に封じられていた力が、徐々に目覚め始めたのを感じていた。しかし、その覚醒は痛みと苦悩を伴い、時に自らの内なる闇と対峙することを意味していた。
「……俺の中にあるこの闇は、一体何なんだ？」
陽斗は独り言のように呟いた。彼の心は、転生前の記憶と今の使命の間で揺れ動いており、その答えを見いだすことができずにいた。
その時、突如、森の奥からかすかな叫び声が響いた。ミカエルがすぐさま地図と古文書を握り締めながら、緊張した様子で仲間に伝えた。
「また、組織のエージェントが……あの方向から接近している」
ロレンスは即座に体勢を整え、剣を構えた。エリナは杖の先端に淡い光を集め、警戒の態勢を取る。陽斗は深呼吸をし、心の中で己の覚醒すべき力を探るように集中した。
突然、茂みの影から黒衣の一団が飛び出してきた。敵のエージェントたちは、静かにしかし確実に襲撃の構えをとり、陽斗たちに迫る。戦闘の火蓋が切られる中、一人のエージェントが、ロレンスに向かって低い声で挑発した。
「貴様らの連携など、これで終わりだ！」
