「これで…終わらせる！」
叫びながら、陽斗は新たな技「絶対零度の重力衝撃」を放った。放たれた一撃は、周囲の空間を一瞬にして凍りつかせ、敵の陣形を一掃するほどの威力を発揮した。虚無の王の化身は、その衝撃波に苦しみ、動きが鈍る。だが、敵はただ一人の戦士だけにとどまらず、無数の魔獣や闇の戦士たちが、執拗に襲い掛かってくる。
戦況は依然として厳しく、仲間の一人が重傷を負い、血に染まった甲冑を着たロレンスが傷だらけの体を引きずりながらも、剣を握りしめていた。エリナは、涙を浮かべながらも仲間を励まし、「皆、信じ合って戦い抜くのよ！」と叫んだ。ミカエルは、冷静な声で「我々の絆が、必ずやこの絶望を打破する。負けるわけにはいかない」と訴え、戦士たちは互いに力を振り絞り、敵に立ち向かった。
戦いの最中、陽斗の心には、過去のビジョンが断片的に蘇っていた。幼き日の記憶、かつて共に戦った仲間の笑顔、そして、守るべきものすべてへの想いが、彼に勇気と痛みを同時に与えた。そのビジョンは、彼の内面に潜む絶望を一掃し、再び闘志を呼び覚ました。
「俺は、絶対に負けない！」
と、陽斗は呟くと同時に、全ての領域能力を融合させた究極の一撃を放つ。彼の攻撃は、まるで天をも裂くかのような威力で、虚無の王の化身に容赦なく襲い掛かった。
一騎打ちの激闘が繰り広げられる中、敵と陽斗の間には、一瞬の静寂が訪れた。虚無の王の眼前に立ち、仲間たちの苦しむ姿と、共に戦う覚悟が交錯するその瞬間、陽斗は己の命を懸けた決断を下す。
