涼介は美代子の悩みを聞いてくれる優しい男だった。涼介は美代子に好意を持っていたが、健太の存在を知っていたため、踏み込めなかった。涼介は美代子が幸せになることを願っていた。
「もしもし、涼介さんですか?」
美代子は電話に出た。
「あ、美代子さん、こんにちは。今、どこにいますか?」
涼介の声が聞こえた。
「えっと、今、ちょっと用事があって・・・」
美代子は言葉に詰まった。美代子は涼介に健太と一緒にいることを言えなかった。
「用事ですか。大丈夫ですか?何か手伝えることがあれば言ってくださいね」
涼介は心配そうに言った。
「ありがとう。でも、大丈夫です。すぐに戻りますから」
美代子は嘘をついた。
「そうですか。じゃあ、気をつけてくださいね。あの、美代子さん、今日の夜、一緒に食事でもしませんか?」
涼介は勇気を出して誘った。
「今日の夜ですか?」
美代子は驚いた。美代子は今日の夜、健太とどうなるかわからなかった。
「はい、今日の夜。もし、都合が悪ければ、また今度でもいいですよ」
涼介は恐る恐る言った。
「いえ、そうじゃなくて・・・」
美代子は返事に困った。
美代子は涼介を選ぶべきか、それとも健太を選ぶべきか決断する。
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